“子ブタの剥製貯金箱”に非難、販売者は「革のベルトと何が違うんだ?」。

2010/11/12 17:33 Written by Narinari.com編集部

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カナダでいま、ある“子ブタの貯金箱”がちょっとした物議を醸している。同国のウェブショップで販売中の“子ブタの貯金箱”は、なんとホンモノの子ブタを使用した剥製の貯金箱。動物愛護団体は「嫌悪感を覚える」と販売中止を求めているが、ショップ側は「革のベルトを買ったり、ベーコンを食べるのと何が違うんだ?」と反論しているそうだ。

この“子ブタの貯金箱”を販売しているのはライアン・マコーミックさん。彼は自身のアイデア商品が並ぶウェブサイト「THE CHEEKY.com」を通じて、これまでにもさまざまな独創的な商品を販売してきた。そのラインアップは、妙にリアルな有名人の似顔絵を描いたしおりや、シーツに広がった子どものおねしょを連想させる色と形をした湯たんぽなどなど。今夏には“猿ぐつわをした客室乗務員”や“ぎっしりと並べられた白い粉の袋”といった過激な写真の「スーツケース用ステッカー」が問題視され、カナダ運輸相から「発売中止の圧力」(カナダ紙バンクーバー・サンより)をかけられたこともあるそうだ。

そんなマコーミックさんの商品の中で、このたび物議を醸しているのが、子ブタの剥製をそのまま使った貯金箱。サイトの商品説明によると、貯金箱には病死した子ブタを使用するそうで、申し込みを受けてから制作に入る受注生産のため、購入者の手元に届くのは1年後になるという。見た目は子ブタの背中部分にコインを入れる穴があるだけ。価格は4,000カナダドル(約32万円)と、なかなかのお値段だ。

この貯金箱が注目を集めたのは、先ごろカナダの雑誌に取り上げられたのがきっかけ。しかし、マコーミックさんが雑誌への露出を喜んだのも束の間、この貯金箱の存在を知った動物愛護団体からは“待った”の声がかかった。

カナダ放送局CBCによると、カナダ中部マニトバ州のウィニペグ動物愛護協会は“子ブタの貯金箱”を非難。同協会のアイリーン・ホワイトさんは、これが「誰でも嫌悪感を覚える」(バンクーバー・サン紙より)と、マコーミックさんに販売中止を要請した。協会側はマコーミックさんだけでなく、雑誌社にも同様の声明をつづったメールを送っているそうだが、現在のところ返事はないという。

さらに協会側は一般市民に向けたキャンペーンを始めたが、こうした動きにマコーミックさんは猛反論。「私たちはビジネスをしてるんだ」とした上で、「革のジャケットやベルトを買ったり、BLTサンドでベーコンを食べるのと違いないだろう」と、“子ブタの貯金箱”の正当性を訴えている。

また、「THE CHEEKY.com」の共同経営者コリン・ハートさんは、カナダ紙トロント・スターの取材に「多くの人は、ちょっとしたジョークだと理解しているよ」と“幾分慌てた様子で”語ったそうだ。

なお、販売ページで公開中の写真は「生きている子ブタの写真を加工したもの」だそうで、いまのところまだ剥製貯金箱は制作されていない。「私たちは動物が好きで、“子ブタの貯金箱”を作るために傷つけたり、殺したりはしない」と、ハートさんは今回の騒動に憤りを感じている。しかし、こうした非難の声は徐々に広がりを見せており、彼のもとには「憎たらしいメールや死の脅迫」がいくつか届いているという。

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