“偽警官”の教師が交通整理、車の往来激しい道から生徒守る苦肉の策。

2010/10/27 11:02 Written by Narinari.com編集部

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登下校する生徒の安全を守ろうと、学校側が配慮するのは当然のこと。中国のある小学校も、交通量の激しい目の前の道路を生徒が安全に横断する方法はないかと、長年の悩みを抱えていた。そうした中、「状況を打開しよう」と考えた同校の校長の頭に、ちょっとしたアイデアが浮かんでしまう。それは教師に警官の格好をさせ、勝手に交通整理をしてしまおうという大胆なものだった。

中国紙南魯晩報などによると、この学校は山東省東営市にある勝利青山小学校。同校の前を走る幅約20メートルの4車線道路は交通量が激しく、さらには信号がついてない。標識も「減速」を促すものがあるのみで、歩行者用横断歩道を示すゼブラゾーンはすでに消えかかっており、道行く車に停車の気配もないという危険がいっぱいの環境だ。そのため約700人の生徒たちは、いつも車の切れ目を狙って、なんとかその道路を渡って登下校する日々を送っていた。

こうした状況ゆえに、学校や保護者たちが頭を悩ますのは当然だろう。学校側はどうにか状況を改善できないかと、これまでいろいろな対策を講じてきたが、どれもあまり効果は得られず。市の交通警察にも警官の配備をお願いしたものの、聞き入れられることはなかったという。

そこで思い付いたのが、教師が自ら交通警察に扮して、道路で交通整理を行うというアイデアだった。体育教師2人に白の帽子と白い手袋を着用させ、“勝手に”交通整理。もちろん警官の制服は学校側が用意したもので、偽の交通警察となった体育教師はこの一件が発覚するまでしばらくの間、首尾よく交通整理を行っていたそうだ。

発覚後も同校の校長は「教師に交通警察の格好をさせているのは子どもたちの安全のため」と悪気はなかったことを強調。ただ、法律に反しているのは理解した上で、やむなくそうした行動を取ったと謝罪している。

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