ギネス保持者が「へその糸くず」を26年間収集、溜まった瓶は博物館に。

2010/10/26 11:00 Written by Narinari.com編集部

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実にさまざまな“世界一”が認定され、思わず「世界は広い……」と唸ることも多いギネス・ワールド・レコーズ。中には何を目指しているのかよく分からない珍記録もあり、これがギネス記録の大きな魅力のひとつとなっているが、45歳のあるオーストラリア人男性は、執念が生んだ珍記録を生みだした。彼は2000年に「へそに溜まる糸くず集め」で“世界一”と認定され、その後もこの変わったコレクションを継続。普通ならただのゴミになるはずだった糸くずの塊は26年間の長きにわたって3本の瓶に集められ、このほど博物館に売却されたという。

この男性は、豪パースに住む45歳のグラハム・バーカーさん。写真撮影や詩など文学の創作といった多彩な趣味を持つ彼は、興味の着眼点がどこか変わっているようで、コレクターとして集めているモノに如実に表れている。彼の公式サイト「GRAHAM'S PADDOCK」では、そうした珍コレクションを紹介。オーソドックスに「切手も集めた」(英紙デイリー・メールより)経験もあるというが、「パン屋の紙袋」はまだしも、「剃ったあごひげ」や教会で自身が使った「偽名コレクション」などは、かなりの変わり種といった印象だ。

その中でも、彼が自画自賛する珍コレクションが「へその糸くず集め」。同サイトによると、このユニークな収集を始めたのは1984年1月17日、ブリスベンのユースホステルに泊まったときからと、その歴史は長い。嵐の夜にやることがなく暇を持て余した彼が、ふとへそに溜まった糸くずに気付いたのがきっかけで、そのときバーカーさんは「1人の人間が、へそからどれだけの糸くずを生み出せるのかを知りたくなった」という。記念すべき最初のコレクションはフィルムケースに収められ、ここから彼の地道な収集が始まった。

以来、シャワーを浴びる前には「へそから糸くずを取り除いて、瓶に入れるのが習慣になった」というバーカーさん。ここ20年あまりの彼の調べでは、1度に取れる量の平均は「3.03ミリグラム」と微々たる量らしい。

そして1998年にサイトを開設。するとオーストラリア国内だけでなく、欧米メディアからも注目を集め、その結果、2000年11月にギネス・ワールド・レコーズに世界記録として「へその糸くずコレクション」が認定されたという。誰もがゴミや汚れだと思うようなモノを集め、“世界一”の称号を得たバーカーさん。コレクションはそこでは終わらず、この後もさらに続けられた。

こうして26年間、3本の瓶に溜め込んできたコレクションは、今年「22.1グラム」(デイリー・メール紙より)もの量に。まさに「ちりも積もれば山となる」を体現したとも言えるこのコレクションは、「ユニークな世界記録コレクションと文化的遺産」として博物館へ売却された。

目にした人の中には気味悪がる女性もいるそうだが、反応は概ねポジティブなもの。現在も続くコレクションは4本目の瓶に突入し、今のところ4分の1ほど溜めたという。「体が糸くずを生み出せなくなったら集めるのを止める」と話すバーカーさん、この世界記録を破るのは、当面容易ではなさそうだ。

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