7月からアニメ第2期がスタートし、マンガとは異なる展開で好評を博している「黒執事」。その原作者であるマンガ家・枢やなが、自身の公式ブログで一部のファンに苦言を呈している。マンガやアニメを正規のルート以外で入手・閲覧し、そのことを枢やな自身に伝えるファンが増えているのだという。「万引きや無銭飲食と一緒です」「モラルの低下に背筋がぞっとします」――と厳しい口調で訴えており、危機感の強さをうかがわせる内容だ。
8月15日に更新されたエントリー「違法動画について」で枢やなは、「あまり説教くさいことは言いたくはない」と前置きしながらも、「最近あまりに多いので」と、エントリーを公開した経緯を説明。その上で、ファンから寄せられた手紙やメールの中に「友達からROMで借りて読みましたwww」「1期全部海外動画サイトで見ましたwすごく面白かったです!」といった内容が記されており、それと類似したものが「最近かなり頻繁に」届くことを明かしている。「前々から結構あった」そうだが、作者としてメッセージを発せずにはいられないレベルに達したようだ。
作者にわざわざそうした内容を書いて送るのは、悪いことをしているとの認識がないからなのは明白だろう。そのため枢やなは「紛れもなく犯罪です」「『www』じゃありません」とピシャリ。「『黒執事がすごく好きです! でも、中の人達は無収入にして飢え死にさせたいです★』ってメールを送ってきてるのと一緒です」と強い言葉も飛び出している。
また、マンガやアニメが作られ、報酬として還元されるまでの課程を丁寧に説明。その上で、そうした行為が枢やなをはじめ、制作に携わる者全員にどのような損失をもたらすかを、自分自身の感情を込めながらつづっている。
「ワタシたちクリエーターや声優さんたちはご飯が食べられず、冗談じゃなく飢えて死にます」「その行為を続けられると、アニメも漫画も本気で二度と作れません」と、訴える内容は切実だ。
「黒執事」は「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)に連載中の人気マンガ。テレビアニメ第1期は2008年10月から2009年3月まで、第2期は今年7月から放送されている。