19歳女性が「最高のハグ」で自殺止める、橋の欄干で47歳女性を説得。

2010/08/06 13:58 Written by Narinari.com編集部

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家族や友人、恋人など、その形はいろいろだが、人は愛情を受けることに幸せを感じ、生きていくもの。もし、それが不足していると感じたとき、中には絶望に追い込まれてしまう人もいる。先日、英国の高速道路にかかる橋で、欄干から足を投げ出した状態で座っている女性を、たまたま車で通りかかった19歳の女性が発見した。1時間の説得の末、死のうとしていた47歳の女性は自殺を思いとどまり事なきを得たのだが、このとき19歳の女性は「最高のハグをしてあげる」と語りかけ、必死に諭していたという。

19歳のエマ・ニーダムさんはこの日、友人の家から車で帰宅中、英中部オールダムの高速道路上にかかる橋で異様な光景を目撃した。母親らしき女性が橋の欄干から足を投げ出した状態で座り、その傍らで「男の子が身を投げないよう頼んでいた」(英紙デイリー・エクスプレスより)という。状況を察知したニーダムさんは、すぐに警察へ通報。自分も急いで車を降り、自殺を思いとどまらせるために説得を始めた。

当時の状況について「彼女はとても興奮していて、私も心臓が口から飛び出しそうだった」と振り返るニーダムさん。下を走る高速道路では多くの車が行き交う緊迫した状況の中、ニーダムさんは「彼女が座る反対側のフェンスの地面に座って、話し始めた」(英紙デイリー・メールより)。やがて警察が高速道路を閉鎖。橋の下を走る車もいなくなり、ニーダムさんは警察とも連絡を取り続けながら、静かに女性の話に耳を傾けた。

「個人的な問題を抱えている」など、少しずつ心の中を語り始めた女性。しかし、タバコを取り出しては「これが最後」と、なおも自殺を止めるつもりがないように話す女性に、ニーダムさんは必死に「冷静さを保ち続けた」という。それは、明らかに動揺している女性に落ち付きを取り戻させるためでもあり、「愛を望んでいるということが分かっていた」ためでもあった。そこでニーダムさんは「私のほうに来るなら、今までで最高のハグをするから」と語りかけたそうだ。

そんなニーダムさんの様子に、交渉に当たろうと現場に駆け付けた警察関係者も「エマのデリケートな扱いに感銘を受け」(英紙デイリー・ミラーより)、2人での会話を続けさせることに。そしてアイコンタクトも感じ取ったニーダムさんは、女性に「安らぎを与えるため」に近付くと手を取った。その後ずっと手を握りしめたまま、2人が約1時間の会話を重ねると、女性は橋の外へ向けていた体をニーダムさんの身に委ね、自殺を思いとどまったという。

こうして救出に成功したニーダムさんは、もちろん目一杯のハグで女性を温かく包みこんだ。女性はニーダムさんに抱かれながら救急車で病院に運ばれ、診療を受け帰宅。咄嗟の判断で1人の命を救ったことに、ニーダムさんは「すべてがうまくいって嬉しい」と話し、母親のスーさんも「勇気あることをした」と娘の行動を喜んでいる。

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