タリバンが「猿兵士」を育成中? 人民日報の報道に米メディアは懐疑的。

2010/07/14 11:37 Written by ナリナリ編集部

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いくら平和を望む声が上がろうとも、幾度となく繰り返される戦争。そのとき危険な目にさらされるのは、戦う兵士たちや巻き込まれる一般市民だけではない。例えば米軍は海中の機雷探知のためにイルカを訓練・利用するなど、動物の戦争利用のケースはしばしば報告されている。そしてこのたび、中国紙人民日報英字版が伝えたのは、タリバンが「米軍を攻撃するため、猿に武器の訓練をしている」という話。「猿兵士を始めたのは米国」とも伝えているが、米メディアはこの話題を懐疑的に見ているようだ。

人民日報は「最近の英国メディア機関の報告」という形で、この話題を7月9日に報道。それによるとこの機関は先日、パキスタン国境に近い地域でAK47ライフルや機関銃を装備している猿兵士を写真に収めたという。この猿兵士の存在は米軍の間でも、すでに「猿テロリスト」の名称で知られ、「タリバンが大きな損失を負ってから、訓練を始めた」との米当局者のコメントもあるそうだ。

記事では「タリバンが米軍撤退の圧力にするべく、欧米の動物愛護主義者の感情を高めようとした」と、猿を利用する理由をアナリストが解説。人間の兵士が直接対処に当たるより「効果的な方法を見つけた」と、タリバン兵にもメリットになっているとの見方を示している。戦争に参加する猿というのが本当にいるのか、報道には驚きを隠せないが、過去にも猿兵士を育成した例はあるらしい。それを行ったのは「皮肉にも米国人」と人民日報は指摘する。

猿兵士を使ったとされる舞台は、米軍が1965年から約10年間参加したベトナム戦争。この戦争で「CIA(米中央情報局)は多数の猿兵士を育成」し、ベトナム兵を攻撃させるためにジャングルに送りこんだと、記事で説明している。

一方、一部の米メディアは「ネットではこの話で騒然となっている」(米紙ニューハンプシャー・ガゼット)と報道。しかし、その論調は「中国のおかげで、なぜ米国がベトナムに負けたかが分かった。それは猿の差だ」と、ジョーク混じりの懐疑的な見方になっている。米誌ニューヨーク・マガジンでも「アフガニスタンの猿はとても空腹で、バナナのために躊躇なく殺すので特に怖い」と掲載。猿兵士が実際に投入されたとき「もはや、我々が勝てる戦いではない」と、あまり真に受けていないようだ。

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