“ノアの方舟”を発見か、捜索グループは「99.9%間違いない」と自信。

2010/04/28 18:11 Written by Narinari.com編集部

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旧約聖書「創世記」の中に書かれている“ノアの方舟”。神が悪い行いをする人間たちを洪水で滅ぼそうとするところ、ノアが家族や動物を方舟に乗せて難を逃れたというのが、大まかな話の流れだ。洪水に襲われること40日間、地上から水が引くまで150日間かかった末に、方舟がたどり着いた先は現在のトルコ東部にあるアララト山と言われている。そのアララト山の山頂付近で、このたび中国とトルコの探検グループが方舟に使用されたと思われる木の一部を発見したと発表。測定の結果、木は4,800年前の物と見られることから、中国人メンバーは「(ノアの方舟の一部に)99.9%間違いないと思う」と確信しているという。

トルコ紙ナショナル・ターク英字版によると、発見したのは香港を拠点に活動する団体「Noah's Ark Ministries International」所属の中国人とトルコ人のグループ。同紙は彼らが行った今回の捜索で「ノアの方舟に入ったとさえ主張した」と伝え、現場とサンプルの写真を掲載している。また、トルコ英字紙ハリエット・デイリーニュースも、メンバーがアララト山の山頂付近で発見し、船と見られる構造物から木を回収したと報道。放射性炭素年代測定法により、木が4,800年前の物であると分かったそうだ。

団体の公式サイトでは、2008年10月から2009年10月にかけて行われた捜索の際、海抜4,000メートルを超えた地点で今回の木でできた構造物を発見したと説明。中国人メンバーの1人は「それがノアの方舟であるとは、100%言い切れない。しかし我々は99.9%そうであると思っている」とコメントしている。グループが考えている根拠のひとつは、アララト山の周辺地域では3,500メートルを超える一帯に人間が定住しておらず、この点からも発見した構造物がノアの方舟の可能性を高めている――というものだ。

実は過去にもノアの方舟の痕跡と思われるものは、この付近で多く報告されている。1959年にはトルコ空軍のパイロットが上空からボートのような対象物を目撃。また、2006年にはアララト山北西部を写した衛星写真に、船のような形をした物が写っていた。しかし、「誰もノアの方舟がどこにあるのか、説明できなかった」(ナショナル・ターク紙より)のが、これまでの実情だったようだ。

また、多くの探検家が方舟の痕跡を探し、たびたび発見したと主張するも「誰も証明できなかった」(カナダ紙トロント・スターより)という歴史も。ただ、今回の発表は少なくとも発見された木の年代が、伝説があったと考えられている時期に近いとあって、メディアの関心も高いようだ。

報道はトルコや欧米、そして「Noah's Ark Ministries International」がある香港でも伝えられている。この発見を受けて、団体は発掘場所を世界遺産に登録するよう、トルコ政府へユネスコに申請するよう働きかけているそう。果たして歴史を紐解く1ページとなるのか、今後の成果も注目されるところだ。

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