「トランスフォーマー」に影響され5年間ガソリンを飲み続けた少年。

2009/07/21 04:58 Written by Narinari.com編集部

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子どもたちにとって、正義のヒーローが活躍する映画やアニメが大きな影響力を持つことは周知の通り。しかしながら、ときにそれが製作者側の意図に反し、子どもたちに悪影響を及ぼすこともある。自分を正義のヒーローだと錯覚し、ほかの子どもたちに暴力を振るったりするのもそのひとつだが、今回紹介する「トランスフォーマー」に影響を受けた少年は、決して暴力事件を引き起こしたわけではない。驚くことに5年間もガソリンを飲み続け、結果として知能障がいに陥ってしまったのだ。

四川省の「華西都市報」によると、この少年は中国・四川省宜賓市興文県に住む14歳。父親の話では、かつては学業優秀で、自宅の電化製品が故障すると自分で修理してしまうほどの腕前だったそうだ。それが、5年ほど前から大好きだったアニメ「トランスフォーマー」に影響されてガソリンを飲むようになり、人生が狂ってしまった。少年の話では、同作に登場するキャラクター「オプティマス・プライム」や「バンブルビー」がガソリンでエネルギーを補給してパワーアップする姿に感化されたのだという。

しかし、少年がガソリンを飲むようになるまでには、それなりの“経緯”もあったようだ。少年の実家では、母親がさまざまな商品を軒先に並べて露店を営んでいた。商品の中にはガスライターも含まれていたのだが、2004年2月から3月にかけて、突如として50本のガスライターが店から消えてしまう。後々発覚したのだが、それは少年が「ガスを吸い込む」ためにすべて盗んでいたそうだ。

また、同年10月には、家のオートバイのガソリンタンクからガソリンが抜かれる事件が起きている。そのガソリンはペットボトルに入れられ、少年が持ち運びながら嗅いだり飲んだりしていた。そして、少年の行動はさらにエスカレート。今年2月になると、隣近所の家からガソリンを盗んでまで飲むようになってしまったのだ。

事態を重く見た父親が息子を病院へ連れていったところ、医者は少年を「ガソリン依存」と診断。薬物依存やアルコール中毒の患者を診察してきた医者も、「ガソリン依存」の患者は初めてだったらしく、大変驚いたそうだ。医者が言うには、ガソリンに含まれる鉛(同記事には詳細が書かれていないが「有鉛ガソリン」だと思われる)が少年の大脳に損傷を与えていることが予想され、記憶力や理解力に支障を来たしているという。現に、少年は昔ならば難なくこなしていたであろう簡単な足し算や引き算ができない状態。今後は、少年のために専門家を呼び、状況に応じて適切な治療をしていくとのことだ。

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