施錠せず放置の自転車は何時間で盗まれる? ロンドンではわずか17分。

2009/06/23 11:46 Written by Narinari.com編集部

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運転免許がいらず、手軽な移動手段として幅広い年齢層に親しまれている自転車。特に交通渋滞が発生しやすい都市部の移動に最適で、近年は健康のため通勤の足として利用する人も増加している。その一方で多いのが盗難だ。高価なスポーツ自転車を狙う盗難事件も多発しており、警察庁発表の「平成20年度の犯罪情勢」によると、2001年をピークに減少傾向にあるものの、昨年の自転車盗難認知件数は39万3,462件を記録している。そんな自転車の盗難問題は海外でも同じようで、英保険会社モアザンが英国内10都市で実験を行ったところ、首都ロンドンではたった17分で新車が盗まれるという驚きの結果が出た。

英国の自転車盗難件数は年間30万台と日本よりも少ないが、人口が約半数であることを考慮すると、盗難に遭う確率は日本を大きく上回る。過去の傾向から、英国では夏に向けて暖かくなるにつれて自転車盗難の件数が増え、保険会社に補償を求める声も増加するため、同社は盗まれる前に対策を講じるよう注意を促すことを目的に、今回の実験を試みたという。

実験は、約130ポンド(約2万円)の新しい自転車を、施錠しないままロンドンやマンチェスターなど10都市の人通りの多い場所に放置して行われ、それぞれ盗まれるまでにどのくらいの時間がかかるのかが計測された。

その結果、最も早く盗まれたのはロンドンで、時間はわずか17分後。2番目に早く盗まれたグラスゴーでも1時間30分後で、人口が多いとはいえロンドンが群を抜いていることが分かる。その他の都市では、いずれも2〜3時間前後には盗まれてしまい、最も遅かったリバプールでも3時間52分後には、自転車は姿を消した。10都市の記録は以下の通り。

リバプール(マシューストリート) 3時間52分後
ブリストル(イーストストリート) 3時間15分後
マンチェスター(アーンデイル・ショッピングセンター) 2時間57分後
ノリッジ(エクスチェンジストリート) 2時間34分後
ニューカッスル(エルドンガーデン・ショッピングセンター) 2時間25分後
ポーツマス(アルバートロード) 2時間12分後
カーディフ(キャピトル・ショッピングモール) 2時間10分後
バーミンガム(ザ・ラグマーケット) 1時間55分後
グラスゴー(ブキャナンストリート) 1時間30分後
ロンドン(ロンドンブリッジ駅) 17分後

この結果には、モアザン社の担当者も「あなたが誰であろうとも、どこに住んでいても、必要な対策を打たなければ盗まれるのは時間の問題」(英紙デイリー・テレグラフより)とショックを受けた様子。また英紙ヘラルドでは、今回の窃盗犯の多くは計画的ではなく通りすがりの犯行とし、自転車窃盗に対する罪の意識の軽さを指摘した。

英国では自転車購入に1台平均218ポンド(約34,000円)かかり、盗難で毎年6,500万ポンド(約102億円)の損害を生み出しているという。モアザン社では、自転車に鍵やチェーンを使用し、固定されたものに車輪やフレームをくくりつけて保管するよう呼びかけている。

ちなみに、昨年度の日本の盗難認知件数39万3,462件のうち、検挙されたのは2万8,053件と1割にも満たず、未成年の割合は57.4%と半数以上。また、意外にも盗難に遭った自転車の半数は施錠していた。警察庁は、自転車に鍵を2つかけ、見通しがよくきちんと管理された駐輪場に自転車を止めることを勧めている。

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