「幸せ太り」は本当だった、米研究が指摘する「結婚・同棲が太る」理由。

2009/06/15 12:32 Written by Narinari.com編集部

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独身男性が結婚や同棲を機に太り始める「幸せ太り」。その理由について、1998年に米シラキューズ大のアラン・メーザー博士(社会学)は、独身男性に比べて結婚や同棲をしている男性は、男性ホルモンのテストステロン量が約35%低下しているとの研究結果を明らかにしている。テストステロンが減ると筋肉量が落ち、同時にカロリーの消費も減少するため、これまでのような食事を続けていくと太ってしまうという。この研究結果はNHK「解体新ショー」で紹介され、日本でも一部で話題となった。

こうした研究はたびたび行われてきているが、米ノースカロライナ大のペニー・ゴードン=ラーセン助教授(公衆衛生学)らも、結婚や同棲しているカップルを対象に研究を実施。すると男性だけでなく、結婚や同棲によって女性も太る傾向にあることが分かった。この結果は、科学誌「Obesity」の来月号に掲載される予定で、同誌電子版にはすでに掲載されている。

研究の対象となったのは、米国人男女6,949人。1996年から2001年もしくは2002年まで追跡し、そのうち1,293人が結婚または同棲していた。独身者の中には交際中の人もいたが、調査の結果、独身者に比べて同居して2年以上の結婚カップルでは、肥満の割合が2倍に高まっていたという。また、同棲カップルの女性では肥満リスクが63%上昇していた一方で、男性では肥満リスクの上昇は認められなかったとしている。

これらの結果について、ゴードン=ラーセン助教授は「恐らく、加齢による要因ではなく、行動様式の変化が体重の増加となって現れるのだろう」と推測。同居すると1人の時よりも料理を作る分量が増加し、以前より多く食べてしまうこと、外食に行く機会が多くなる傾向にあること、1人の時より外出の機会が減ること、2人でテレビを見る時間も増えることなど、複数の原因が重なり合って太ってしまうようだ(※あくまでも米国の場合)。

その一方で、結婚カップルでは喫煙率の減少と死亡率の低下が確認できた。そのため、同助教授は「互いにポジティブな影響を与え合い、良い時間を過ごしている証拠」と評し、太ることも「幸せの表れ」と述べている。

とはいえ、肥満は米国などで社会問題化しており、たとえ幸せの結果だとしても避けたいところ。同助教授も「もし互いの体型を気にしていれば、結婚による体重増加を回避できるかもしれない」とし、適度な体重維持を促している。

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