14歳少年の「同性愛支持」ブレスレット、学校が禁止通達も抗議で撤回。

2009/04/23 13:50 Written by Narinari.com編集部

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「多様性」や「共存」を象徴するという虹。北米の大都市を訪れると、時折この虹色の旗をたくさん見かける地区に行き当たります。「レインボー・フラッグ」は同性愛者のシンボルであり、これがたくさん掲げられている地区は同性愛者のコミュニティにあたるのです。カルフォルニア州サンフランシスコのカストロ通り、カナダのバンクーバーにあるデイビー通りなどが有名です。

ちなみにゲイ・シンボルの虹は赤、橙、黄、緑、青、紫の6色で表現するのが通例。旗以外にもこの色をモチーフにしたアイテムが多くあり、これを身につけることで自分のアイデンティティを主張している人も少なくありません。

アリゾナ州に住むクリス・クインタリーナ君もレインボー柄のブレスレットを腕にはめています。しかも「Rainbows are Gay 」というメッセージ付き。ちなみに「Gay」という言葉には「同性愛」という意味のほか、「カッコいい」や「明るい」という意味があります。それにしても14歳の彼、多感な世代にありながら自分のセクシュアリティを隠さずに主張しているのは、なかなか勇気があるところ。同性愛嫌悪が根強い米国、周囲からイジメを受ける可能性もあるはずです。

しかし、彼に立ちはだかった問題は「ピア・プレッシャー」(同世代からの「横並びになれ」という暗黙の圧力)ではなく、学校関係者からの反応でした。

彼のブレスレットとそのメッセージに眉をしかめた学校関係者は、彼の両親に「学校でそのブレスレットを身に着けることは禁止だ」と通達してきたのです。クリス君のご両親は、彼のセクシュアリティに深い理解を与えている人々のようで、これに対してかなり憤慨したそう。

そこでご両親とクリス君は同性愛者サポートの団体に連絡を取ることに。同団体は今回の問題を重視して、

「今回の学校の判断は、合衆国憲法修正条項第1条にある『言論統制』の禁止に反する」

と文面での苦言を伝えました。

これが功をなしたか、学校側は先の決定を撤回し、クリス君は晴れて「お気に入り」のブレスレットを身につけることが出来るようになったそうです。

見方を変えれば単なるブレスレットかもしれません。学校側が校則違反だと、特定の服装やアクセサリーを禁止することも珍しくありません。でも今回のように、クリス君にとって大きな意味があるブレスレットだった場合、ご両親やサポート団体の後ろ盾があったことは、幸運だったと言えそうです。

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