「窮鼠“蛇”を噛む」? エサのネズミが30分にわたるヘビとの死闘制す。

2008/10/10 23:57 Written by コジマ

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「窮鼠猫を噛む」は、窮地に追い詰められた弱者が必死の反撃を行い、強者を苦しめるという意味の故事成語。出典元である中国の「塩鉄論・詔聖」には「死して再びは生きざれば、窮鼠狸を囓む」と記されており、実際にも追い詰められたネズミは猫にかみつくことがあるようだが、一矢報いることはあるものの、かみ殺すまでに至るわけではない。

ところが、そんな「窮鼠」が猫ならぬヘビにかみつき、さらには相手を殺してしまうという珍事が台湾で起きた。これは英紙デイリー・メールが伝えているもので、衝撃だったのはこのネズミがヘビのエサだったということ。30分間の死闘を制し、このネズミは見事生還している。

ヘビは種類によってエサが違うが、全種で通じているのが肉食である点だ。獲物の体に巻きついて窒息死させるほか、毒蛇は獲物に毒を注入して動きを止め、悠々と食べる。

台湾の消防署で飼われていた体長35センチの毒蛇も、この日檻へ入れられた昼食用のハツカネズミに毒を注入しようと牙をむいた。ところがこのネズミは、ひるむどころか毒蛇に攻撃を開始。かんだり引っかいたりなどの連続攻撃を繰り出した。

ネズミにとって文字通り死闘となったこの攻防は30分間も続いたが、最後は馬乗りになって毒蛇をかみ殺している。激闘を制したネズミの体を消防士たちが確認したところ毒蛇にかまれた跡があったようだが、ネズミは奇跡的に死ぬことも動きを止められることもなかったようだ。これについて、消防士は「ヘビは闘いの中で毒液を使い切ってしまったんでしょう」と語っている。

このニュースを受けて、同紙は「猛禽類やイノシシ、マングース、キツネなどヘビの天敵は存在するが、この中にネズミを加えなければならなくなった」としてる。「窮鼠猫を噛む」の故事成語も、「窮鼠蛇を噛み殺す」に変えなければならないかもしれない。

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