鹿島サポーターが旗で相手選手をたたく妨害、無観客試合の厳罰も。

2008/09/21 18:29 Written by コジマ

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後半戦に入り、首位争いが熾烈を極めているJ1。9月20日には第25節の7試合が行われ、1位の名古屋が新潟に、3位の大分が東京Vに勝利したが、2位の鹿島は敵地で柏に1-1の引き分け。これによって鹿島は、12戦負けなしの大分に2位を譲ることとなった。

この柏−鹿島戦で、鹿島サポーターがプレー中の相手選手を応援旗でたたくという「暴挙」に出た。これによって、両チームのサポーターが乱闘を起こし、警官約70人が出動する騒ぎに発展。2人が負傷するなど、スタジアムは騒然となった。

開始前から鹿島側入場ゲート付近で両サポーターが小競り合いをしていたこの試合、前半33分にコーナーキックを蹴ろうとした柏MFアレックス選手に対し、最前列にいた鹿島サポーターの応援が接触した。アレックス選手は頭を押さえて倒れ込んだものの、さいわいにケガはなかったようだ。

試合が行われた日立柏サッカー場は観客席とピッチが近接しており、最前列で旗を掲げる応援は禁止されている。このサポーターはもちろん退場処分となったが、鹿島サポーターはこれに懲りず、前半36分にまたしてもコーナーキックを蹴ろうとする相手選手を応援旗で妨害。しかし、2度目の「暴挙」は警備員によって阻止された。

さらに、サポーター同士の殴り合いが起きて鹿島サポーターが額を切ったほか、試合後にはスタジアム外で両サポーター数十人が激しい口論をしたため、通常スタジアムに派遣される警官10人に加え、60人が駆けつける事態に発展した。

この背景には、前半2分にアレックス選手との接触によって鹿島MF小笠原満男選手が負傷したことがあるようだ。同18分に交代した小笠原選手はさいたま市内の病院で検査を受け、左ひざの半月板損傷と前十字じん帯損傷で全治6カ月と診断、今季中の復帰は絶望的となっている。鹿島サポーターが中心選手を負傷させたアレックス選手に不満を抱くのは、心情として理解できることだ。

しかし、プレーを妨害し、選手に直接危害を加えるという暴挙は許されることではなく、サッカーファンからは非難の声が多数上がっている。鹿島のオズワルド・オリベイラ監督も「アレックスへの暴動は賛同できない」と怒り心頭だ。今季のJ1はサポーター同士のトラブルが続いているが、鹿島サポーターは開幕前のゼロックス杯(J2広島戦)でピッチに乱入するトラブルを起こしたほか、4月の浦和戦で「FUCK YOU REDS」とのメッセージを掲げようとして非難を浴びている。

鹿島は柏と協力してトラブルを招いたサポーターを特定し、ホーム、アウェーともに公式戦の無期限観戦禁止処分を本人に通達としたと発表。鹿島の大東和美社長は、公式サイトで「試合を楽しみにご来場された方に不快で不安な思いをさせました。また、試合を運営するホームクラブの柏レイソル様にも多大なご迷惑をおかけしました」謝罪したが、罰金より重い「無観客試合」の厳罰が下される可能性も指摘されている。

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