シャロン・ストーン発言に中国ネット激怒、香港映画関係者も批判。

2008/05/27 22:03 Written by コジマ

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北京五輪開催前に、中国や世界へ大きな衝撃を与えた四川大地震。推計死者数は6万人を超えており、現在も約3万人が行方不明、中国政府は最終的に死者数が8万人超となる可能性を示している。さらに、土砂崩れで川がせき止められてできた「地震湖」の決壊による2次災害が懸念されているのだ。

こうした中で、フランスで開催されたカンヌ映画国際祭では、ジョン・ウー監督の作品「レッドクリフ」の会見で四川大地震の被災者へ捧げる黙祷が行われていたが、一方で米国エイズ研究財団のチャリティー・パーティーを開催。マドンナやナタリー・ポートマン、ミラ・ジョヴォヴィッチらスター約700人が出席するという豪華なイベントとなった。

そのチャリティー・パーティーで司会を務めていたシャロン・ストーンが、四川大地震について「問題発言」をし、中国のネットユーザーや香港の映画関係者から批判を浴びている。

カンヌで香港のテレビ局の取材を受けたシャロン・ストーンは、四川大地震について「とても興味深いこと」としたうえで、「私は中国のチベット人に対する態度を好ましく思っていないので、北京五輪をどう捉えるべきか考えていた。そこに、あの地震が起きた。もしかしてこれはチベットのことに対する報いではないか」と発言した。

シャロン・ストーンは以前からチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と親交があり、チベット問題について他のスター同様、大きな関心を寄せている。カンヌ国際映画祭で注目を浴びると思われたチベット問題が、四川大地震によってカヤの外になったことも無関係ではないだろう。

この発言に対して、香港の映画会社会長は「彼女の発言は非常に不適切。今後、彼女の中国市場での活躍は難しいだろう」(エクスプロア中国より)と非難し、同社が運営する大手シネコンでシャロン・ストーンの出演作品を上映しないことを明言。また、香港のある芸能人は「中国人の共通の敵」(スポーツニッポンより)として出演作品を見ないよう呼びかけ、映画監督は今後ともに仕事をする機会はないとのコメントをしているのだとか。

また、中国のネットでは「彼女に命を語る資格はない」「イメージキャラクターになっているディオールの製品を買わないようにしよう」(中国情報局より)などの怒りの声が殺到しており、クリスチャン・ディオールの中国本部は「わが社がストーンさんと考えを同じにしていることは決してない。現在、解決の方法を検討中だ」(同)と対応に追われている。

シャロン・ストーンは昨年の上海国際映画祭で「国際親善大使」に任命されるなど、中国国内では「親中派」のイメージ強かったという。それだけにこの発言に対する中国人のショックは大きく、今後騒動は拡大する可能性があるという。世界的に批判が高まっているチベット問題だが、少々タイミングが悪かったと言わざるを得ないだろう。

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