3月には米Yahoo!スポーツ、4月にはAP通信が世界に向けて特集記事を配信するなど、米メディアの報道が日増しに熱を帯びてきている日本ハムのダルビッシュ有投手。昨季の15勝5敗、防御率1.82、210奪三振という圧倒的な成績と、今季の5勝1敗、防御率1.46(5月14日現在)という好調ぶりから、米メディアが「次の大物」と着目するのは当然の流れではあるが、まだプロ4年目の投手に対する注目度としては、異例の過熱ぶりと言えるだろう。
そうした中、今度は米国のスポーツ専門テレビ局「ESPN」のウェブ版が、「DICE-K 2.0」という、動画を交えた3万字を超える「ダルビッシュ大特集」を公開した。米サイトにも関わらず、日本語版も用意するほどの熱い特集だ。
内容は多岐にわたっており、ダルビッシュ投手を取り巻く現状や、イラン人の父親・ファルサさんへのインタビュー、日本球界で活躍するボビー・バレンタイン監督や元日本ハムのトレイ・ヒルマン監督の声、日本人メジャーリーガーの歴史、プロ野球とメジャーリーグの関係性、そして日本の少年野球の現状に至るまで。ダルビッシュ投手を軸にしながら、懇切丁寧に日本球界を分析した内容だ。
この特集では、ダルビッシュ投手が仮にポスティングシステムを利用してメジャー移籍する道を選んだ場合、入札金額は7500万ドル(約78億円)にも上ると予想している。この金額は、同じくポスティングシステムでレッドソックスに移籍した松坂大輔投手の5111万1111ドル(約60億円)をはるかに上回る数字。プロ入り後4年間の実績に加え、年齢的な「若さ」を考慮に入れれば、そうした評価も妥当なのかもしれない。
特集の中でダルビッシュ投手はメジャーリーグへの思いを語っているわけではない。もちろん、日本ハムも現時点では公に移籍を認めているわけではない。だが、すでに米国では「日本のNo.1投手」として認知され、メジャーのスカウトも水面下では獲得に向けて調査を始めていると言われており、ポスティングシステムでのメジャー移籍が実現するその日まで、今後も米国から熱視線が送られることになりそうだ。