センバツ決勝戦は予想外の大差、沖縄尚学が9年ぶり2度目の優勝。

2008/04/04 15:25 Written by コジマ

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第80回の記念大会となった今年の選抜高等学校野球大会。数々の名勝負が繰り広げられる中で特に近畿勢の活躍が目覚しく、昨年の秋季近畿大会優勝校である東洋大姫路(兵庫)、準優勝の平安(京都)、ベスト4の智弁和歌山(和歌山)、ベスト8の天理(奈良)の4校がベスト8に残ったのだ。

しかし、ベスト4に残ったのは東洋大姫路のみ。その東洋大姫路も準決勝で秋季九州大会準優勝の沖縄尚学(沖縄)に敗れてしまった。一方、関東勢同士の対戦となった準決勝のもう1試合は、秋季関東大会ベスト4の聖望学園(埼玉)が同ベスト8の千葉経大付(千葉)を破って決勝に進出した。

余談だけど、今大会で話題となった智弁和歌山バッテリーの「おまじない」に対して日本高等学校野球連盟へ苦情が殺到したことから、高野連は智弁和歌山側に注意を促し、同校は「キス禁止」を決定したのだそう。これが影響したのかは分からないものの、智弁和歌山は準々決勝で東洋大姫路に0-2で敗れている。

さて、99年以来2度目の優勝を狙う沖縄尚学の指揮を執るのは、26歳の比嘉公也監督。9年前のエースで、広島の比嘉寿光内野手とともに春夏通じて沖縄に初の甲子園優勝をもたらした。若さに似合わぬ絶妙な采配に定評があり、昨年の秋季沖縄大会で優勝したほか、秋季九州大会では準優勝に導いたのだ。

今大会でもその采配が冴え、2回戦で秋季東北大会準優勝の聖光学院(福島)、3回戦で秋季四国大会優勝の明徳義塾(高知)、準々決勝で天理と強豪高に競り勝った。特に東浜巨投手は、天理戦で打球が左ひざを直撃するアクシデントがあったものの、準決勝では痛みをこらえて139球を投げ抜き、逆転勝利につなげたのだ。

4月4日の決勝戦では、前日に「明日も自分が投げたい」(中日スポーツより)と語っていた東浜投手が先発した。沖縄尚学は同投手と並んで大会屈指の右腕である聖望学園の大塚椋司投手を攻め立て、三回までに6点の大量リードを奪った。

五回にも3点を奪ったチームメイトの活躍に後押しされ、東浜投手も力投。九回130球を投げ抜いて聖望打線を完封し、比嘉監督がエースを務めた9年前の7-2を上回る9-0の大差で、9年ぶり2度目の優勝を果たしたのだ。1人の投手による決勝戦完封は、98年の松坂大輔投手(横浜、現ボストン・レッドソックス)以来のことなのだとか。

接戦が多かった今大会、しかも大会屈指の投手が投げ合う決勝戦が大差の結果になるとは、思いもよらなかった人も多いのではないだろうか。聖望学園・大塚投手の不調が悔やまれるのだ。

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