「マンガ大賞2008」発表、12候補の中から大賞に選ばれた作品は?

2008/03/28 23:55 Written by コジマ

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ドラマ化・映画化が相次ぎ、政府の国際文化戦略の盛り込まれるなど、近年は特に注目度が高まっているマンガ。年間に多数の単行本が発行されているけれど、その中から「思わず人に勧めたくなる」という身近なコンセプトで作品を表彰する「マンガ大賞」(マンガ大賞実行委員会主催)が開設された。選考員は書店のマンガ担当者を中心に各界のマンガ好きが務めており、運営はすべてボランティアで行われているのだ。

第1回となる今回は、昨年1年間(1月1日〜12月31日)に単行本が出版された最大巻数が8巻までの作品が対象。最大巻数8巻としたのは、週刊連載作品でも発行するのに2年かかるので、人に勧めたいマンガの面白さが発揮されているため。それ以上だと世間に知れ渡っているうえに、冊数が多くて気軽に読む気になれないなど、「人に勧めること」にこだわっているのだ。

大賞の概要は、まず選考員76人が各自最大5作品を推薦し、選考員たちは自費で読んで一次選考としてその中から得票数の多かった作品を選出した。当初は10作品の予定だったそうだけど、同得票数の作品があったため、文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞している吉田秋生の「海街diary 1 蝉時雨のやむ頃」(小学館「月刊flowers」連載中)や、アニメも大ヒットした石川雅之の「もやしもん」(講談社「イブニング」連載中)など12作品がノミネート。最多ノミネートは「大奥」(白泉社「MELODY」連載中)、「きのう何食べた?」(講談社「モーニング」連載中)、「フラワー・オブ・ライフ」(新書館「月刊ウィングス」連載終了)の3作品で候補となったよしながふみだったのだ。

この12作品の中から、栄えある第1回の大賞に石塚真一の「岳」(小学館「ビックコミックオリジナル」連載中)が選ばれた。「岳」は世界の名峰を制覇してきた主人公・島崎三歩が、日本アルプスで山岳救助ボランティアとして活躍する物語。山の素晴らしさはもちろんのこと、危険性や悲惨さもしっかりと描かれている。2位の文化庁メディア芸術祭優秀賞、日本のメディア芸術100選をダブル受賞した「よつばと!」(あずまきよひこ)に20ポイント近く差をつけるという、圧倒的な支持を受けて受賞している。

このほか、1巻だけの刊行ながらノミネートされた「海街 diary1 蝉時雨のやむ頃」が3位となっており、最多ノミネートのよしながふみは「フラワー・オブ・ライフ」が同得票の3位で最高。「もやしもん」は9位と振るわなかったのだ。

選考員にマンガ家や編集者などの関係者が入っていないことから、バイアスのかかりにくい選考が行われる「マンガ大賞」。“マンガの直木賞”を目指しているとこのことで、今後の展開にも期待なのだ。


◎マンガ大賞2008
大賞 「岳」 石塚真一 68ポイント
2位 「よつばと!」 あずまきよひこ 49ポイント
3位 「海街 diary1 蝉時雨のやむ頃」 吉田秋生 43ポイント
3位 「フラワー・オブ・ライフ」 よしながふみ 43ポイント
5位 「君に届け」 椎名軽穂 42ポイント
6位 「大奥」 よしながふみ 40ポイント
7位 「皇国の守護者」 原作:佐藤大輔、作画:伊藤悠 35ポイント
8位 「とめはねっ! 鈴里高校書道部」 河合克敏 27ポイント
9位 「もやしもん」 石川雅之 26ポイント
10位 「夏目友人帳」 緑川ゆき 23ポイント
11位 「ひまわりっ −健一レジェンド−」 東村アキコ 20ポイント
12位 「きのう何食べた?」 よしながふみ 19ポイント

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