ともに1959年に創刊し、後発の「週刊少年ジャンプ」(集英社)を加えて現在も少年マンガ誌の3強を担っている「週刊少年マガジン」(講談社)と「週刊少年サンデー」(小学館)。しかし、人気連載作品の終了や出版不況、子供のマンガ離れなどが影響して、最大425万部(98年)を誇っていたマガジンは187万1771部、同200万部(00年)だったサンデーも93万5729部と、ジャンプ(650万部→277万8750部)も含めて全盛期の半数以下に激減しているのだ(すべて日本雑誌協会より)。講談社の「コミックボンボン」は昨年11月に休刊している。
来年にはそれぞれ創刊50周年を迎えるのだけど、こうして苦境に立たされているライバル2誌が、合同で新しい少年向けマンガ誌を発行することになった。内容は、両誌の看板マンガである「金田一少年の事件簿」(マガジンで不定期連載中)と「名探偵コナン」(サンデーで連載中)の過去作品を編集したものになるそうで、タイトルは日刊スポーツが「コナン&金田一」、朝日新聞が「コナン金田一 増刊」と伝えている。来月18日に正式発表される予定なのだ。
「イブニング」(講談社)に連載中のマンガ「もやしもん」が異なる出版社の雑誌や作品に宣伝として登場したり、「モーニング」(講談社)と「週刊ヤングジャンプ」(集英社)に連載している井上雄彦の2作品が同時にそれぞれの表紙を飾る企画が実施されたりなど、近年は出版社の垣根が取り払われつつあるのだけど、異なる出版社が1つの雑誌を刊行するのは前代未聞のこと。ともに切磋琢磨してきた両誌の創刊半世紀プレイベントに、ぴったりのサプライズ企画となりそう。
4月10日から各出版社が月1回ずつ、半年で計12冊を刊行する予定で、第1弾は小学館が発売。読者の反応によって、11月以降も継続する可能性があるとしている。価格は300円台後半になるみたい。
過去作品の再録というのがちょっと残念だけど、ともにアニメ化やドラマ化されるなど絶大な人気を誇る探偵マンガ。夢のコラボによって両誌の人気が復活するか、注目なのだ。