2005年5月に発売され、「脳トレ」ブームの火付け役となったニンテンドーDS用ソフト「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」。その販売本数は日本だけで360万本、海外を含めると500万本以上を優に超えていると言われているほどの大ヒットを記録したなりよ。そして、第2弾である「同 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」は、国内だけで前作をさらに上回る480万本を売り上げることに。「脳トレグッズ」の監修を行った川島隆太教授の元には、莫大な「監修料」が支払われることになったなりね。
ただ、昨年5月に読売新聞のインタビューに答えた川島教授は、当時の時点で4億4,000万円と言われた「監修料」のうち、3億円を自身が所属する東北大学に寄付、学内に新たな研究棟を建設することを明らかにしていたなり。そうした研究一筋、欲のない川島教授の姿勢は世間に驚きを持って受け止められるとともに、賛辞が贈られていたなりね。
あれから1年近くが経ち、最近は「脳トレ」ブームも一段落しているなりが、そうした中、AFP通信の海外向けのインタビューで次のようなことを語っているなりよ。
・「監修料」は以前よりも増え、24億円まで膨れあがっている。
・川島教授はこれだけ「監修料」が増えても受け取りを拒否し続け、すべて東北大学に寄付している。
・家族(妻と4人の息子)はそんな川島教授に腹を立てているそう。
・東北大学から支払われている給料(年1,100万円前後)で満足している。
・「趣味は仕事」と告白。
・ゲームを「悪い」とは考えていないものの、息子には平日のゲームを禁じ、休日も1時間だけに制限している。
驚くべきことに、「監修料」は24億円にもなっているなりよ……。「24億円を受け取って億万長者となり、あとは悠々自適な人生を」という考えは、川島教授には毛頭なかったようなり。
一貫して大学への寄付を続ける川島教授に対し、今回の報道を受けて再び手放しで絶賛する声が相次ぐのかと思いきや、どうやら今回はちょっと状況が異なる様子。もちろん、「研究に生きる姿はかっこいい」「素晴らしい大学への恩返し」と前向きに評価する声がある一方で、「報酬なしなんて前例作られたら、ほかの研究者にとっては迷惑」「研究者・学者の地位向上のためにも受け取って欲しかった」と、研究者と思われる人たちからの悲しい想いも聞こえてくるなりよ。
川島教授のとった「報酬を受け取らない」という行動は是か非か。皆さんはどう思うなりか?