藤枝東×流経大柏は予想外の大差、全国高校サッカー決勝戦。

2008/01/14 18:13 Written by コジマ

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寒風吹きすさぶ中、今年も開催されている全国高等学校サッカー選手権大会。86回目を迎えた今大会は初出場の三鷹(東京B)の活躍が注目されたけど、その「都立旋風」も準々決勝で終了。決勝は、三鷹を破った古豪・藤枝東(静岡)と、昨秋の全日本ユース選手権を制した新鋭・流経大柏(千葉)が激突したのだ。千葉・静岡両県の学校による決勝は、第67回大会の清水商−市立船橋以来、19大会ぶり。

全国高校サッカー選手権で4度の優勝を誇る藤枝東は、主将のDF鳥羽亮佑選手(3年)やエースのMF河井陽介選手(3年)ら4人の元U-18(18歳以下)日本代表選手を擁し、1月11日にはDF松村大輔選手(3年)がU-19日本代表に追加招集された。流経大柏は昨夏の全国高校総体などで3度敗れている因縁の相手で、その高校総体以来「捲土重来」を掲げて37年ぶりの全国制覇を目指していたのだ。

一方、流経大柏は1985年開校の新設校ながら、藤枝東を破った高校総体で4強入りし、全日本ユースを制した強豪校。その2大会で得点王に輝いたエース、FW大前元紀(3年、U-19日本代表)をはじめ日本全国から優秀な選手が集まっており、グラウンドなどの設備はプロ並みに充実している。サッカー解説者の望月重良氏(元名古屋)によると、ホペイロ(用具係)までいるのだとか。ラグビー部とともに、サッカー部は学校の顔となっているのだ。

ともにPK戦を行うなど、苦しみながらも勝ち上がってきた両校。得点王争いをしている160センチ台の各エース、河井選手(4得点)と大前選手(5得点)の活躍が勝敗のカギとされていた。これまでの試合で流経大柏の激しいプレスに持ち味のパスサッカーを封じられた藤枝東だけど、服部康雄監督はそのスタイルを崩さずに決勝を戦うと語っていたのだ。

しかし、試合が始まると、流経大柏が藤枝東を圧倒。前半こそ流経大柏MF村瀬勇太選手(3年)の1得点のみだったものの、後半3分には大前選手が角度のない位置からダイレクトで得点し、続く後半17分にも今大会7つ目のゴールを決めた。さらに、U-15国際大会MVPの田口泰士選手(2年生)がダメ押しの4点目を決め、接戦の予想を覆す4-0の大差で流経大柏が大会初優秀を飾ったのだ。J1清水への入団が決まっている大前選手は、史上初の3大会連続得点王を達成した。

藤枝東は流経大柏の強烈なプレスにパスがことごとく封じられ、個人技でも圧倒されて防戦一方だった。また、課題だった体力面の弱さも出てしまい、今大会で流経大柏が打たれたシュート本数では最多となる5本のシュートも相手ゴールを脅かすほどのものではなかったのだ。

こうして藤枝東にとっては残念な結果となってしまったけれど、河井選手らは大会優秀選手に選ばれるのは確実。そのメンバーで欧州でのユーストーナメントを戦うことになるので、今度は互いに心強い味方となりそうなのだ。

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