映画の入場料「高い」が7割、妥当な料金は半数が「1000円」。

2007/12/26 23:35 Written by コジマ

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テレビやビデオ、DVDの登場、そして「ネタ切れ」など、世界的に衰退しているといわれる映画業界。しかし、米映画協会(MPAA)が今年3月に発表した2006年の世界映画興行収入は、258億2000万ドル(約3兆円)。前年比8%減だった05年と比べて11%増加しており、過去最高を記録したのだ。これは日本も同じ状況で、06年の興行収入は2.4%増の2029億3400万円。延べ入場者数も2.6%増の1億6458万5000人となっている(日本映画製作者連盟「日本映画産業統計」より)。

しかし、日本の数字増加は邦画の健闘によるものが大きく、洋画の興行収入は20%近く減少した。依然、予断を許さない状況なのだ。こうした中で、世論調査などを行っている中央調査者が全国の20歳以上の男女1347人を対象に映画についての調査を行った。それによると、7割以上が「映画が好き」と答えたものの、新作映画の入場料が1800円に設定されていることに対して71.3%が高いと感じていることが明らかになったのだ。

調査では、20.6%が「非常に好き」、50.9%が「まあ好き」と回答。71.6%が映画に関心があることが分かった。好きな映画では「日本映画」が67.7%で1位となり、2位の「ハリウッド映画」に10ポイント近く差をつけている。前出のデータを裏付けているのだ。また、50代、60歳以上の女性には「韓国映画」の人気が高かった。ジャンルでは男性からの支持を受けて「アクション」が1位となっている。

映画館の入場料金1800円については、「高い」(39.7%)と「やや高い」(31.6%)を合わせて71.3%が高いと感じており、「ちょうどよい」(16.4%)、「やや安い」(0.7%)、「安い」(0.4%)は合計17.5%にとどまった。妥当な金額としては、44.5%もの人が「1000円位」と回答している。

これに対して、日本映画製作者連盟(映連)は、「映画の日」や「レディースデー」などで平均料金は1233円になると反論している。しかし、99年に財務省が発表した資料によると、各国の平均入場料金は米国が4.69ドル(約530円)、英国が6.87ドル(約780円)、フランスが5.97ドル(約680円)、ドイツが6.11ドル(約700円)、韓国が4.09ドル(約470円)となっており、日本が突出して高いことが分かるのだ。

ただ、英調査会社スクリーンダイジェストが発表した「映画指数」では、日本で1本の映画を見るのに必要な労働時間は48分とされている。これは米国の24分、英国の35分などと比べると高いのだけど、世界平均は57分。この指数を見る限り、日本の映画料金は世界的に見て安いと判断できるのではないだろうか。

いずれにせよ、料金が高いと感じる人でも観にいきたくなるような作品が、次々に登場することを期待したい。ちなみに、映連による2007年分「日本映画産業統計」は、来年1月に発表されるのだ。

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