クラブW杯で浦和がミランに惜敗、決勝は欧州王者対南米王者。

2007/12/13 23:15 Written by コジマ

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今年5〜11月に行われたアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で、グループリーグから無敗で日本勢初の王者となった浦和。しかし、故障者の続出によって天皇杯ではJ2の愛媛に敗退し、連覇確実といわれていたJリーグでも最終節で最下位の横浜FCに敗れて鹿島に王座を明け渡してしまった。

また、ACL得点王のポンテ選手が右ひざじん帯断裂の大ケガを負い、ホルガー・オジェック監督と折り合いの悪かったワシントン選手がブラジルリーグのフルミネンセへ移籍することがささやかれる(12月12日に決定)など、なんとなく嫌なムードが漂っていたのだ。

ACL終了後の不甲斐なさからイランのメディアからは「浦和の強みはサポーターだけ」と揶揄され、そのサポーターからも怒りの声が上がっていた。しかし、アジア王者として参加したクラブワールドカップ(W杯)では、ACL決勝に続いてセパハン(イラン)と対戦した初戦(準々決勝)で永井雄一郎選手、ワシントン選手らが得点し、3−1で快勝。冷静なオジェック監督も「非常にうれしい。チームのパフォーマンスがすばらしかった。全体としてすばらしいサッカーができた。この一週間の努力が報われた」(サンケイスポーツより)と興奮していたのだ。

日本勢としてクラブW杯初勝利を挙げた浦和が準決勝で対戦するのは、3度世界一になっている欧州王者のACミラン(イタリア)。浦和がこれまでに対戦した中で最強の相手ではあるのだけれど、今季の欧州チャンピオンズリーグでセルティックに敗れる(アウエー戦)など、つけ入るチャンスは十分にあった。

こうして始まった試合では、セパハン戦と同じ布陣で臨んだ浦和が序盤はミランと互角な戦いを展開したものの、徐々にペースを握られる。前半は0−0で終了してアジア王者の意地を見せつけたのだけど、後半23分にカカ選手が上げたクロスにクラレンス・セードルフ選手がダイレクトで合わせて得点。このまま終了し、ミランが決勝にコマを進めたのだ。

互いにちょっと物足りない試合で、得点差以上の実力差が感じられたものの、日本のクラブチームが欧州王者と本気で戦うという瞬間が見られたことについては満足だったかも。「ポンテ選手がいたら……」という思いも頭の片隅にあるけれど。

この試合について、ミランのカルロ・アンチェロッティ監督は「浦和は信じられないくらい頑張った」(サンケイスポーツより)としており、カカ選手も「浦和は素晴らしいチームで、わたしたちにとって難しい試合だった」(同)と絶賛している。日本代表選手の多い浦和だけに、この経験が代表にも生かされることを期待したいのだ。

奇しくも準決勝2戦は同じく1-0の接戦。ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)とミランが戦う決勝戦はもちろんのこと、この2チームを苦しめた浦和とエトワール・サヘル(チュニジア)の3位決定戦も注目なのだ。

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