アカデミー賞前哨戦、コーエン兄弟監督の「ノーカントリー」が4冠。

2007/12/13 13:44 Written by モノメトロ編集部

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アカデミー賞の開催まで2か月強となったこの時期、前哨戦といわれる各映画賞の受賞作品が発表される。そのオスカーレース第3弾となるニューヨーク映画批評家協会賞の各賞が、12月10日に発表された。最優秀作品賞に選ばれたのは、ジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督の犯罪スリラー「ノーカントリー」。同作品はコーエン兄弟が監督賞と脚本賞、助演のハビエル・バルデムが助演男優賞を受賞しており、大事な前哨戦で4冠を達成した。

1935年設立と、数ある批評家協会賞の中でも最も古い歴史を持つニューヨーク映画批評家協会賞は、米映画批評家会議賞(ナショナル・ボード・オブ・レビュー; NBR)やゴールデン・グローブ賞などとともに、翌年に行われるアカデミー賞の結果を占う映画賞として注目されている。

作品、監督、脚本、助演男優の4賞を受賞した「ノーカントリー」は、先週発表されたNBRで作品賞をはじめ3賞、ワシントンDC映画批評家協会賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、ボストン映画批評家協会賞で作品賞、助演男優賞を受賞しており、今回の4部門制覇でオスカー獲得へ弾みをつけた。

このほか、主演男優賞は「There Will Be Blood」(ポール・トーマス・アンダーソン監督)のダニエル・デイ=ルイス、主演女優賞は「Away From Her」(サラ・ポーリー監督)のジュリー・クリスティーが選ばれている。

一方、同日に発表されたロサンゼルス映画批評家協会賞では、「There Will Be Blood」が作品賞、監督賞、主演男優賞を受賞。同作品はニューヨークオンライン映画批評家協会賞でも作品賞(「潜水服は蝶の夢を見る」と同点)、監督賞、主演男優賞を獲得しており、ボストン映画批評家協会賞で監督賞を獲得したジュリアン・シュナーベル監督の「潜水服は蝶の夢を見る」とともに、「ノーカントリー」を追いかける形となっている。

来年1月にはゴールデン・グローブ賞の結果が発表されるが(ノミネートは12月13日発表)、2月の授賞式開催までオスカーレースから目が離せない状態が続きそうだ。

☆2007年ニューヨーク映画批評家協会賞おもな受賞結果
作品賞 「ノーカントリー」(ジョエル&イーサン・コーエン兄弟監督)
監督賞 ジョエル&イーサン・コーエン兄弟(「ノーカントリー」)
主演男優賞 ダニエル・デイ=ルイス(「There Will Be Blood」)
主演女優賞 ジュリー・クリスティー(「Away From Her」)
脚本賞 ジョエル&イーサン・コーエン兄弟(「ノーカントリー」)
助演男優賞 ハビエル・バルデム(「ノーカントリー」)
助演女優賞 エイミーライアン(「Gone Baby Gone」)
外国語映画賞 「善き人のためのソナタ」(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督)
長編アニメーション賞 「ペルセポリス」(マルジャン・サトラビ&ヴァンサン・バロノー監督)
撮影賞 ロバート・エルスウィット(「There Will Be Blood」)

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