「ミシュランガイド」の判定に疑問の声、3鉄人は落選に不満爆発。

2007/11/26 23:55 Written by コジマ

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11月22日に発売され、日本のレストラン業界に嵐を呼び込んだレストランガイド「ミシュランガイド東京2008」。アジア初であることももちろんのこと、3ツ星がパリに次ぐ8店だったこと、1ツ星は世界で最も多かったことなどが話題となり、日本だけでなく世界の注目を浴びているのだ。

星を獲得した店は予約が殺到するなど早くもその影響が出始めているのだけど、この「ミシュラン」の評価に対して疑問の声も各所で出てきている。評論家も「料理人の励みになる」などの評価をしながらも、そのジャッジに対して違和感を感じているようなのだ。

まず、発売前の11月20日には、3ツ星を獲得した店の1つである寿司店「すきやばし次郎」に対して、絶賛の声がある一方で常連客と一見客への態度が違うことや「Yahoo!グルメ」で評価がそれほど高くないことなどをJ-CASTニュースが紹介。万人が納得するような店を選ぶのは難しいけれど、その評価方法に疑問が呈されたのだ。

さらに夕刊フジでは、「採点基準がバラバラで、審査員に三つ星を選ぶという責任感が欠如しているように感じる」というフードライターの意見や、「本当に1500店も行ったのか。それだけ行けば、ほとんどの名店が網羅できるはずだが…」という食通の意見を掲載し、「何を審査するのかわからないのがひっかかる」という「料理の鉄人」3人の不満も伝えている。

3鉄人とは、言わずと知れた和の中村孝明さん、洋の坂井宏行さん、中華の陳建一さんの3人。いずれも今回の「ミシュランガイド東京2008」からは“落選”している。同紙に対して中村さんは「日本の食文化が底上げされる良い機会。料理人育成の発奮材料になる」としながらも、「世界的ブームの寿司がやたら多かったように、今回は味というより、外国人にとって新鮮な日本的印象で評価が左右された印象がある。もっと広い視野で見てほしい」としており、陳さんも「世界各国に中華料理は広まっているが、その中でも日本のレベルは群を抜いて高く、独自の文化を作ってきた。味への評価はお客さんが決めること。ごく一部の人が選ぶものではないと思っている」と、苦言を呈している。

坂井さんも純粋なガイドブックではなくビジネスの側面も出てきていることを指摘。3人のうち誰かは明かしていないものの、「本来の基準からしたら、とても星なんて取れない所が結構あった。それに今回はフランスに関係が深い所がやたらと星を取ったりと、味だけじゃない部分の評価がかなり加味されたように感じた」という意見も掲載されているのだ。

また同紙は、全150店が品川、渋谷、新宿、中央、千代田、豊島、港、目黒、文京の9区に集中していることから地域の偏りが大きすぎること、巻末の地図に中野区の表記が抜け落ちていたことや誤植が多いことを挙げ、“突貫工事”で出版したのではないかと指摘している。ぼくも愛着のあって名店の多い台東区から1店も選ばれなかったことに関しては、かなり疑問だったのだ。こうなると、本当に1500店を調査をしたのかも疑わしくなってくる。

とはいえ、「ミシュランガイド東京」の出版は初のこと。第1回に不満や疑問が出るのは仕方のないことなのかも。中村さんが「1回目はどうしても正当な評価はつきにくい。回を重ねるごとに違った評価も出てくるだろう」としているように、来年度版以降に期待したいのだ。

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