ファンの声届く、映画「ザ・シンプソンズ」のDVDにオリジナル吹替版。

2007/11/01 15:31 Written by コ○助

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「テレビ版よりもずっと長い劇場版では、間延びした笑いになってしまうのでは」との懸念を払拭し、抱腹絶倒の87分に仕上がったと高く評価されている映画版のアニメ「ザ・シンプソンズ」。米国では7月27日に公開され、公開3日間の興行収入は7185万ドル(約85億円)を記録、北米興行収入で初登場1位となるなど、長きに渡って愛され続けてきた作品のパワーを改めて感じさせてくれているなりよ。日本では来年の早い時期の公開を予定しており、ウズウズしているファンも多いなりね。

でも、「ザ・シンプソンズ」を配給するFOXに対し、国内のファンが激怒した顛末は、以前もNarinari.comでお伝えしたとおり。8月14日に、日本公開時の吹き替え版の声優がホーマー(父)役に所ジョージ、マージ(母)役に和田アキ子、バート(長男)役に田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、リサ(長女)役にベッキーと、WOWOWやFOXチャンネルなどで放送されてきたテレビアニメ版の声優陣とは一変した布陣が発表されたことが、ファンの怒りに火を付けたなりよ。mixiにはコミュニティ「シンプソンズ 声優の変更最悪」がすぐに開設されたほか、各所のブログでは声優変更反対を叫ぶ声が続々登場。著名人の「シンプソンズファン」を巻き込みながら、猛批判・猛抗議が展開されていったなり。

大きな動きのひとつとしては、かねてから「シンプソンズファン」を公言してきたミュージシャンの小宮山雄飛(ホフディラン)が、自身のブログで声優変更反対を表明したことも。小宮山雄飛は実際にFOXを訪れ、担当者に直談判もしていたなりよ。また、人気声優の山寺宏一は、作品名は出さなかったものの、明らかにこの一件のことを指すと分かる形で安易な声優変更を批判するコメントを発表したり、テレビアニメ版の声優を務めてきた一城みゆ希(テレビ版のマージ役)も、ブログで「この度この様な事になってしまい、どのような言葉で私達ファミリーの思いを語ったらよいか、言葉がみつかりません」と悲しみに暮れていたなりね。

その後、東京スポーツや週刊新潮、日経エンタテインメント、映画秘宝などがこの問題を取り上げ、徐々に世間にリーチされていくことに。程度の違いはあれど、その論調の多くは、旧来のファンを無視してプロモーションのためだけに芸能人を声優に起用した安易な施策を疑問視するモノだったなりよ。

FOXへの風当たりが強くなっていく中で、どのような落としどころを用意するのか注目されていたなりが、最終的にはどうやらDVD版にテレビアニメ版の声優を起用したバージョンを収録することで決着が付きそう。前述の声優・一城みゆ希が自身のブログで「皆様方の熱い思いが届き、再び私たち家族をスプリングフィールドの家に戻して下さいました\(*^▽^*)/ どの様に感謝をしたら良いでしょう、本当に、本当に有り難う御座います!皆様方のお陰で本日ザ・シンプソンズ ムービーのビデオ・DVDの収録を開始する事が出来ました」と報告しているなり。大きなスクリーンで、オリジナルの声優で観たい……というファンの欲求に応えるものではないなりが、ファンにとっても納得ができる着地点なのでは。

これまでもアニメの声優に芸能人を起用して話題性を高める手法は、マーケティング的にも有効とされ、安易な声優起用をする作品が増えていたなりよね。でも、どんな作品でも、ファンからは常に疑問の声が上がっていたのは事実。今回の一件が、今後も続くであろうそうした声優起用に何らかの警鐘を鳴らすきっかけになったと、願いたいものなり。

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