F1シンガポールGPは史上初の夜間レース、FIAが来季日程発表。

2007/10/26 17:22 Written by コジマ

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10月22日に開催されたブラジルグランプリ(GP)でキミ・ライコネン選手が年間王者に決定し、波乱に満ちたシーズンを終了したF1GP。マクラーレンのスパイ疑惑など悲しいニュースもたくさんあったけれど、最後の最後まで王者が決定しないという白熱した争いは、ファンとしては大いに楽しめたのだ。

それを証明するかのように、ブラジルGPの視聴率はフェルナンド・アロンソ選手(マクラーレン)の母国・スペインで61.4%、ルイス・ハミルトン選手(同)の母国である英国でも49.8%を記録した。欧州はもともとチャンネル数が少なくて高視聴率が出やすいのだけど(フランスで日本のアニメ「UFOロボ グレンダイザー」が最高100%を記録したこともある)、日本でも日曜日の深夜(正確には月曜日)ながら5.2%となかなかの数字で、多くの人が関心を寄せていたことが分かるのだ。

全戦終了から1週間も経たないうちに、国際自動車連盟(FIA)から来季の日程が発表された。来季はこれまでより1戦多い18戦となっているのだけど、その目玉は史上初の夜間公道レースが噂されていた初開催のシンガポールGP。今年5月には開催経費の負担から調整が難航し開催自体が危ぶまれていたのだけど、9月に公道コースがFIAから承認され、今回、来年9月28日(第15戦)という日程とともに、夜間レースとして開催されることが正式に決定したのだ。

コースは全長5.05キロで、61周の反時計回りで実施される。高層ビル群や市庁舎、旧最高裁判所、アンダーソン橋、文化施設「エスプラネード」(通称ドリアン)、そして来年3月完成予定となっている世界最大の観覧車「シンガポール・フライヤー」など新旧名所の前を通過するため、素晴らしい夜景が期待できそう。公式サイトにある写真を見ても、その美しさが分かるのだ。同じ公道サーキットのモナコ同様、選手たちはそんな景色は目に入らないだろうけど。最速ポイントは「ラッフルズ・ブルーバード」なのだそう。

9月のFIA承認以来、13億円以上を投じ、来年5月の完成を目指してコースの建設、整備が急ピッチで行われている。水の上に浮かぶ「フローティング・スタジアム」や8月から建設しているピットがスタンドになるそうで、市庁舎前の広場や公園などにも仮設スタンドが設置される予定。立見席を含めると12万人が観られるようになるのだ。

また、照明システムはイタリアのValerio Maioli S.p.a社に依頼し、競技場に設置されているものの4倍の明るさを持つ特注品を設置するのだそう。しかし、3月にテスト走行したマーク・ウェーバー選手(レッドブル)は、光の乱反射や雨の影響などをもっと調査するよう求めており、あと1年でちゃんとクリアできるかがちょっと心配なのだ。

ドタバタしていて「泥縄」感が否めないけれど、夜景のきれいなシンガポールで開催される史上初のナイトレースに、いまからわくわくしてしまう。現地時間午後8時、日本時間午後9時スタートなので、日本でも夜間の雰囲気がほぼリアルタイムで味わえるのだ。地上波で生中継してくれないかなあ。

また、来季の欧州GP(第12戦、8月24日開催)はスペインのバレンシアで、サーキットが隔年開催となっているドイツGP(第10戦、7月20日開催)はホッケンハイムで行われ、第17戦として10月19日に決勝が行われる予定だった日本GPは、第16戦の10月12日に変更された。来季も富士スピードウェイが舞台となるのだけど、30年ぶりの開催ながらもボロボロの運営に批判が集中しただけに、来季は注目なのだ。さらにFIAは、エンジン開発を来年から10年間は凍結することも発表している。

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