「新東京タワー」の名称をネットなどで公募、来春に投票で決定。

2007/10/26 11:59 Written by コジマ

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地上デジタル放送用の電波塔として、2011年度に竣工予定の「新東京タワー」。昨年11月には建築家の安藤忠雄氏(東京大学名誉教授)と彫刻家の澄川喜一氏(元東京芸術大学学長)が監修したデザインが発表されたのだけど、日本刀の「そり」や寺社建築に見られる「むくり」を意識した「日本の伝統美」という、下町地区(東京都墨田区)にぴったりのキーワードとなっているのだ。

10月6日には建設予定地で新タワーの高さ610メートルを光で示すイベント「光タワープロジェクト」が行われ、来年度の着工に向けて着々と計画が進んでいる。ぼくらもだんだんと実感がわいてきていているのだ。こうした中、新タワーの名称が公募で決められることとなった。

名称決定の流れは、10月26日から11月25日まで公式サイトやハガキで募集し、識者らが数案に絞り込んだうえで来年春頃に実施予定の一般投票によって最終決定される。現行の東京タワーが公募で名前を決めたことを踏襲しているのだけど、新タワーはデザインでも事業主体である東武鉄道らが昨年7月に行ったアンケートに寄せられた意見も反映しており、より「みんなのタワー」という愛着がわくかもしれない。

応募は日本国内在住であれば誰でもでき、応募者の中から抽選で500人に新タワーのグッズがプレゼントされるのだそう。最終決定が投票によって決められると聞くと、近年問題となっているネットによる組織的な投票が脳裏をよぎるのだけど、識者らが数案に絞り込むということなので「珍案」は候補にならなそうなのだ。新タワー名称検討委員会座長を務める明治大の青山ヤスシ教授(元東京都副知事)は、「日本の良さをアピールする、夢と希望にあふれた名称を期待する」(読売新聞より)としている。デザインコンセプトにもなっている「日本の伝統」を表現するような名前だと選ばれやすいのかも。

こうして順調に計画が進んでいる新タワーだけど、東京タワーを運営する日本電波塔がNHKと民放キー局5社に対して、地上波放送が完全デジタル化される2011年7月以降も東京タワーの継続使用を求めていることで、新タワー計画に支障が出る可能性もささやかれている。東京タワーは新タワー完成で収入が激減し、解体される危機にもさらされているのだけど、東京タワーと新タワーが何とか両立できるような状態になることを、東京タワーが好きな下町っ子としては切に願っているのだ。

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