日本FA市場に大リーグが熱視線、ヤ軍は中日・岩瀬投手に興味。

2007/10/24 18:08 Written by コジマ

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日本シリーズの開幕を前に、早くも盛り上がるストーブリーグ。10月22日にはコミッショナー事務局から今年のフリーエージェント(FA)資格選手68人が公示されたのだけど、昨年から資格を持っている広島の黒田博樹投手ら47人のほか、17人が新たにFA権を取得した。今年は各チームの主軸として活躍している選手多く、他球団の動きが活発になっているのだ。また、阪神の下柳剛投手ら4人が再取得している。

近年は米大リーグも注目している日本のFA市場、大リーグにとっての今年の目玉は、なんといってもメジャー移籍か残留かで揺れている黒田投手だ。米メディアはこぞって「松坂より上」と評しており、大リーグ公式サイトでは広島のマーティ・ブラウン監督の絶賛コメントを掲載。昨年獲得に動いたシアトル・マリナーズとシカゴ・カブスが興味を示し、ニューヨーク・ヤンキースやニューヨーク・メッツ、ロサンゼルス・エンゼルスなどが参戦すると報じられている。狭い広島市民球場で成績を残していることも評価を上げる一因となっているみたい。

黒田投手以外にも、多くのFA権取得選手たちがメジャーから熱い視線を送られている。まずは、ジョー・トーリ監督の退団が決定し、大型補強が予想されているヤンキースが獲得に動き出したのが、中日の守護神、岩瀬仁紀投手。ヤンキースは地区シリーズ敗退の原因として救援陣の不足が挙げられており、特に左のセットアッパーが不足している。クローザーのマリアノ・リベラ投手が衰えてきていることからも、プロ野球史上初となる3年連続40セーブ以上をマークした岩瀬投手は、最高の補強となりそうなのだ。これについて本人は、「シーズンが全部終わってから考えます」(スポーツニッポンより)と明言を避けている。

また、メジャー挑戦を宣言し、国内球団との交渉を行わないと発表した楽天の福盛和男投手に対しては、タンパベイ・デビルレイズが獲得に動いているのだそう。デビルレイズは今季46本塁打のカルロス・ペーニャ内野手をはじめとした強力打線(本塁打数はア・リーグ3位)が売りだけど、課題となっているのがヤンキース同様、救援陣の充実。昨季は防御率2.17、21セーブと安定し、今季は防御率こそ4.75と振るわないながらも17セーブを挙げている福盛投手は、守護神のカルロス・レイエス投手へのつなぎ役として適任なのだ。楽天は複数年契約を提示して引きとめているのだけど、本人は「もう自分の中では決まっている。でも、今はまだ何も言えません」(スポーツニッポンより)としている。条件面で折り合えば、来季は岩村内野手のチームメートになりそう。

こうした投手の需要は、メジャー各球団が慢性的にセットアッパー不足なのとともに、今季レッドソックスに移籍し大活躍している岡島秀樹投手や、ロサンゼルス・ドジャースでメジャーを代表するクローザーとなった斎藤隆投手の存在がある。年俸や条件面では松坂大輔投手を大きく下回りながらも大車輪の働きをみせる岡島投手や斎藤投手は、他球団にとって羨望の的なのだとか。どの球団も「第2のオカジ」や「第2のサミー」獲得を目指しているようで、今後、プロ野球からの中継ぎ、抑え投手の流出が加速しそうなのだ。

さらに、中日の福留孝介外野手にも阪神をはじめとした国内球団だけでなくレッドソックスなどメジャー数球団が獲得の動きをみせており、ロッテの薮田安彦投手と福浦和也内野手もメジャー移籍を視野に入れているのだそう。ロッテは薮田投手と「YFK」を組む小林雅英投手や藤田宗一投手もFA権を取得しており、資金面から残留が難しいといわれている。主力が大量流出すれば、エースと四番(新井貴浩内野手)の移籍が噂される広島や、三番と守護神が去る可能性もある中日と同様、来季は苦しい戦いを強いられそうなのだ。


☆2007年FA権新規取得選手

高橋由伸(巨人) 残留表明
岩瀬仁紀(中日)
平井正史(中日)
福留孝介(中日)
渡邉博幸(中日)
川村丈夫(横浜)
新井貴浩(広島)
金村暁(日本ハム)
小林雅英(ロッテ)
高木晃次(ロッテ)
藤田宗一(ロッテ)
薮田安彦(ロッテ)
本間満(ソフトバンク)
松中信彦(ソフトバンク) 残留の意向
福盛和男(楽天)
和田一浩(西武)
北川博敏(オリックス) 残留の意向

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