「初音ミク」の相次ぐ“削除”に陰謀説も、検索サイトは「調査中」。

2007/10/19 22:26 Written by コジマ

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メロディーと歌詞を入力すると、アイドルのような声で歌ってくれるという楽曲製作ソフト「初音ミク」。今年8月末に発売されるや否や、コメントが付けられる動画投稿サイト「ニコニコ動画」で作品が紹介されて話題となり、1万5750円(直販価格)という手ごろな価格も相まって発売1カ月弱で1万本を売り上げた(10月10日現在で1万5000本以上)。音楽作成ソフト(DTMソフト)はヒット作でも1000本程度だそうで、いかに大ブームになっているのかが分かるのだ。

このソフトはクリプトン・フューチャー・メディアという会社が制作・販売する「キャラクター・ボーカル・シリーズ」の第1弾商品で、ヤマハの音声合成技術「VOCALOID 2」を応用したもの。「初音ミク」は商品名であるとともに、ソフトで設定されているバーチャル・アイドル歌手(ボーカル・アンドロイド=ボーカロイド)の名前でもあるのだ。声は声優の藤田咲が担当している。

その「初音ミク」が大きく話題となったのが、10月14日放送のTBS系バラエティ番組「アッコにおまかせ!」で取り上げられたこと。単に紹介されたわけではなく、「初音ミク」ユーザーに悪い印象を抱くような内容だったた、そのため、「初音ミク」ユーザー以外からも批判が殺到したのだ。取材を受けた人たちから「内容が事前の打つ合わせと全然違う」というコメントもされているようで、「印象操作」は間違いないみたい。不祥事が相次ぐTBSに対して過剰な反応を示す人も少なくないのだけど、そうした目が光っているのになぜこのような番組作りを続けるのか、ちょっと理解に苦しむのだ。

さて、そのTBSの「印象操作」報道から数日後、「初音ミク」に関する不可解な現象が起きており、それがまたネットで話題になっている。まずは、16日に「ウィキペディア」の「初音ミク」に関する項目が削除された。これは項目作成者が公式サイトと異なった表記で引用したため、「著作権侵害の恐れがある」として運営者が行ったとしている。現在は復活しているのだけど、「初音ミク」項目の「ノート」には、TBSの「印象操作」報道に関する記述も含めてその経緯が記されている。

続いて、翌17日頃から検索エンジンの「グーグル」と「ヤフー」にある画像検索で、イラストレーターのKEI氏が描いた「初音ミク」のキャラクター画像がヒットしないという現象が発生した。この記事を書いている19日現在も、グーグルでは関係ない画像が表示され、ヤフー!では「一致する情報は見つかりませんでした。」という記述が表示される状態が続いている。「goo」と「MSN」、「ライブドア」ではちゃんと表示されるのだけど、それぞれグーグルとヤフーの検索エンジンを利用する「エキサイト」と「インフォシーク」は、同様の状態となっているのだ。また、中国最大手の検索エンジン「百度」の日本語版でも「申し訳ございません、初音ミクに該当する画像が見つかりませんでした。」と表示される。

これは発売元のクリプトン・フューチャー・メディアが依頼したわけではないため、「『グーグル八分』が行われているのではないか」という噂が飛び交っており、さらには、TBSと関係の深い電通が「アッコにおまかせ!」を制作しているホリプロ所属のバーチャルアイドル「伊達杏子」をプッシュしているために、「電通の陰謀」だと主張する人も出てきているのだとか。

「陰謀説」は少々飛躍し過ぎている感があるけど、ITmediaによると、グーグルは「何らかのバグではないかと考えている。『初音ミク』だけでなく、他キーワードでも同じような問題が起きている可能性がある。イメージ検索チームが対策に当たっている」とし、ヤフーは「検索キーワードに対して適切な結果を出せておらず、当社の画像検索に対する大きな課題と受け取めている。原因を調査し、早急に対策したい」とコメントしているそうで、ともに「原因不明」の状態なのだとか。両社とも画像検索サーバが米国にあるため、米国の技術者と連絡を取りながら対処になければならず、解決には時間がかかるとしている。ただ、ヤフー中国版では表示されるので、なにやらよく分からない状況となっているのだ。

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