今年3月にスタートした、首都圏のほとんどの交通機関が利用できる新乗車券システム「PASMO(パスモ)」。JR東日本の「Suica(スイカ)」と相互利用できることもあって、その利便性の高さから予想を上回る人気となり、4月12日には販売が制限されたほど。ぼくも大いに活用しているのだ。
こうした中で、電子マネー機能を含めて付帯サービスが続々と登場している。その中でも注目なのが、所有者の名前や性別、生年月日、電話番号などが登録される「記名式PASMO」を使って、子供が改札を通ると保護者の携帯電話にメールで通知するというサービス「キッズセキュリティ・駅」。東急が12月から実施するもので、学校や塾など子供が電車を利用することが増えている昨今、保護者にとっては頼もしいサービスとなりそうなのだ。ただ、子供にとっては、サボれなくなってしまうイヤな機能となりそうだけど。
また、東急の働きかけによってコンビニエンスストアam/pmの首都圏店舗約1000店で、来年1月からパスモの電子マネー機能を利用できるようになる。東急は沿線住民の利便性向上を考えて働きかけたようだけど、東急沿線の住民以外も恩恵を受けられることとなったのだ。
その他の私鉄各社でも、東武がパスモをカードキーにしたコインロッカーやパスモで決済できる駐輪場などを展開しており、西武ではグループ会社の西武不動産販売がパスモをカードキーにした分譲マンション(東京都立川市の「
エルシオ玉川上水」)の登録受け付けを開始している。このマンションは、エントランスから各玄関の鍵、さらには宅配ロッカーまですべてパスモで解錠でき、玄関の施錠状態や子供の帰宅を携帯電話に通知するサービスまで付いているのだとか。パスモ利用者にとってかなり便利なマンションなのだ。
また、横浜市が市営地下鉄や市内にある百貨店でパスモを利用するとポイントがもらえるサービスの実験を開始するなど、自治体からも熱い視線が送られているのだそう。横浜市では、たまったポイントに応じて動物園や博物館など市の施設の入場料が無料になるほか、市営地下鉄の乗車券に代えて使うこともできるのだ。これは市民の利便性向上よりも車からの排気ガス抑制が主眼となっているのだけど、市民にとってうれしいサービスであることには変わりない。パスモは東京メトロや全日空のクレジットカードでマイルがたまるサービスが実施されているのだけど、横浜市のものはクレジット機能の付いてない通常のパスモで利用できる点が画期的なのだ。
このほか、綜合警備保障でもオフィスの入退室をパスモで管理できるシステムを開発しているなど、これからもどんどんと便利になっていきそう。ぼくがいち早く実現してほしいのは、スイカのように携帯電話でも利用できるようになることなのだ。ちなみに、キャラクターのロボットは、まだ名前が付いていないとのこと。