双子で毛色が違うベンガルトラ、中国の天津動物園で誕生。

2007/08/06 13:01 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


ニセモノのシマウマがいるとして話題になったのは、中国東北部の吉林省長春にある動物園ですが、今回の話題は華北平原の北東部に位置する天津動物園で起こったニュースでございます。

ここの動物園で飼育されているメスのベンガルトラ「メイメイ」が先日、双子の赤ちゃんを出産しました。この2匹は「ジンラン」と「ユィンシャイ」と名付けられ、元気に育っています。ところが「ジンラン」は通常の母親と同じくオレンジ色というか黄色のかかった毛皮なのに、「ユィンシャイ」は白と黒の縞模様。兄弟なのに色が異なっているという、大変珍しいペアなんだとか。

以前「ニセモノ」として話題になったシマウマとは違い、今回のケースは正真正銘の「本物」。どちらかが色を塗られたワケがじゃございません(笑)。

ホワイトタイガーと呼ばれる、白いトラ。これは遺伝子変異によるメラニン欠乏の「アルビノ」と思われがちですが、実は突然異変とは関係のない「白変種」という個体です。動物界では、体毛・羽毛・皮膚などが白化するための遺伝子を引き継いでいる種類が存在し、これは彼らが氷河期を生き抜いたなごりでもあるとか。確かに雪の中では「白」が保護色ですもんね。ってことは北極圏に住むシロクマなんかはこの「白変種」遺伝子がデフォルトってことかしらん?

その結果、ベンガルトラもこの「白変種」遺伝子のお陰で、時々白い個体が生まれることがあるそう。そして今回の母トラであるメイメイも、この遺伝子を引き継いでいたというワケ(ただし彼女は通常の毛皮となる遺伝子が優性だった)。

それでもホワイトタイガーが生まれる確率自体が低いため、今回のように一緒に生まれた双子間で毛色が変わっているというのは、やっぱり滅多にないこと。とりあえず写真を見る限りでは、兄弟仲良く育っている様子なので、毛色の違うことなんて、単に人間が騒いでいるだけで、本人たちにはどうでもいいことなのかもしれません(笑)。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.