史上2頭目の「牝馬3冠」達成、名牝スティルインラブが死亡。

2007/08/03 05:02 Written by コ○助

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競馬の世界で「3冠レース」といえば、皐月賞、ダービー、菊花賞と続く牡馬のクラシックレース。同じ年に生まれた8,000〜9,000頭のサラブレッドすべてが目指すのが「3冠レース」なりが、一般的に牡馬よりも繊細な牝馬が「3冠レース」を目指すのは、かなり難易度の高いことなりよ。たまたま今年は「3冠レース」の中でも特に格の高い日本ダービーを牝馬のウオッカが制したなりが、これも64年ぶりという戦後初の歴史的快挙。そもそも「3冠レース」に牝馬が挑戦すること自体が希有な例であり、ウオッカは少し特殊な馬と考えて良いなりね。

戦前は牝馬の「3冠レース」への挑戦はチラホラとあったものの、国営競馬を引き継いだ日本中央競馬会(JRA)がレース体系の整備を進める中、牡馬のクラシックレースに倣った牝馬限定の「3冠レース」が完成。現在は桜花賞、オークス、秋華賞(1995年まではエリザベス女王杯)を総称して「牝馬3冠レース」と呼ぶなりよ。そのすべてを制した牝馬は、メジロラモーヌ(1986年)とスティルインラブ(2003年)の2頭のみ。このことからも、いかに高いハードルであるかが分かるなりよね。

そんな「牝馬3冠レース」を制した2頭目の馬のスティルインラブが、8月2日に死亡してしまったなり。各紙の報道によると、7月25日に急激な腹痛を起こしたため、2度の手術を実施。一時は体調が回復したものの、8月1日に再び激しい腹痛を起こし、そのまま8月2日の朝に亡くなってしまったそうなりよ。死因は小腸の腸重積(腸の一部が腸の中に入り込み、腸が二重になることで腸閉塞を起こす病気)。2006年1月の引退式からわずか1年半、まだ7歳の若さでこの世を去ってしまったなりね。

その優秀な競争成績から、当然、繁殖牝馬としても大きな期待がかかっていたなりが、スティルインラブが残した産駒は初年度に交配したキングカメハメハとの間にできた牡馬1頭のみ。それだけに、この早逝は当事者だけでなく、競馬界全体にとっても、ファンにとっても大きな損失なりよ。まだまだ超良血の産駒を世に送り出すことができたはずなのに……。

スティルインラブの血を受け継ぐただ1頭の牡馬。この馬がどのような成長を見せ、競走馬としてどのような成績を残していくのかはまだ誰も分からないなりが、ドラマを背負った超良血馬として、これから注目され続けていくことは間違いなさそうなり。良血すぎる馬はあまり走らないのが常なりが、スティルインラブの血を絶やさぬためにも、目の覚めるような活躍をしてくれると信じたいなりね。それにしても、スティルインラブの訃報は残念なり。

◎スティルインラブの競争成績
通算16戦5勝/G1 3勝(桜花賞、オークス、秋華賞)/獲得賞金 4億3777万8000円/主戦騎手 幸英明

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