「イラン版CNN」がスタート、欧米・過激派とも違う独自視点を提供。

2007/07/03 13:52 Written by コジマ

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1979年のイスラム革命以来、米国と対立しているイラン。近年は、核開発やテロ支援などを理由に米国が「悪の枢軸」の1つに挙げて国際的な制裁を呼びかけ、イランは過激な発言で知られるマハムード・アフマディネジャド大統領が硬軟を織り交ぜて対応している。また、同大統領が昨年に米タイム誌の「世界の100人」に選ばれ、オリバー・ストーン監督の撮影を拒否するなど、いろいろな意味で国際的な注目を浴びているのだ。

こうした中、イラン初となる英語衛星テレビ「プレスTV」の放送がスタートした。ニュースやドキュメンタリーを24時間放送するため国際メディアでは「イラン版CNN」といわれており、欧米メディアや過激派とは違った「第3の視点」で世界にニュースを発信していくとしているのだ。

国営イラン放送が全額出資しているこのチャンネル、イラクやパレスチナ情勢などを中心に扱っていくとしており、日本時間3日未明の放送開始式典でもアフマディネジャド大統領が「人道に反する敵の活動をプレスTVは暴かなければならない」(東京新聞より)と発言。国の影響力が強く感じられるのだ。またイランは、昨年に国境なき記者団が発表した「世界報道自由ランキング」で168カ国中162位(日本は51位)となっており、信頼感には疑問符がつくとされている。

しかし、プレスTVはイラン人や欧州出身の記者など30人を中東や世界各地に特派員として配置し、最初の放送でもキャスターや特派員が英国のテロ事件などについて論評を加えずに伝えるなど、公正性を心がけているみたい。ただ、最初に報じたニュースは、イランの核開発を支持するベネズエラのウゴ・チャベス大統領(反米主義者として有名)の単独インタビューだったのだけど。

中東の英語版24時間ニュースとしては、昨年11月に放送開始したカタールの「アルジャジーラ・イングリッシュ」に次ぐもの。信頼性はともかく、情報の少ない中東からのニュースソースが増えることは、国際的に意義のあることかもしれない。今後は、「イラクから逃げ出した米兵」を題材にしたドキュメンタリーなどを放送していく予定だとか。公式サイトでも閲覧できるとのことだけど、現在はつながらない状態なのだ。

追記:
7月3日午後8時現在、公式サイトに接続できるようになった。久間章生防衛相の辞任などが報じられているが、Windows Media Playerでの映像再生はプロトコルがサポートされていないためできないようなのだ。

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