ヤンキース・井川慶投手が緊急登板で2勝目、先発復帰も決定。

2007/04/29 17:22 Written by コジマ

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Narinari.comでもお伝えしたように、4月19日のクリーブランド・インディアンス戦、3度目の先発で初勝利を挙げたニューヨーク・ヤンキースの井川慶投手。しかし、24日のタンパベイ・デビルレイズ戦は2本の本塁打を含む被安打8、失点7で5回途中に降板し、先発ローテーションから外されてしまったのだ。

ヤンキース自体も、21日のボストン・レッドソックス戦から敗戦続き。ケガから復帰したエースの王建民投手でも止めることができず、ライバルのレッドソックスが首位を独走する中、7連敗で最下位に落ち込んでしまった。

こうした中で行われた29日のレッドソックス戦、ローテーションの一角を担うジェフ・カーステンス投手が先発したのだけど、初回に先頭打者のフリオ・ルーゴ内野手の打球がカーステンス投手の右足を直撃。続くケビン・ヨーキリス内野手と対戦したものの、痛みに耐えかねてマウンドを降りた。それもそのはず、カーステンス投手は右足を骨折していたのだ。

連敗中のヤンキースを襲ったアクシデント。1つのアウトも取らずに先発投手が降板するというこのピンチを救ったのは、「ツメでも研ごうかな」(サンケイスポーツより)とのんびり過ごしていた井川投手だったのだ。

ブルペンでの投球練習をしていなかった井川投手は、マウンドでの投球練習で肩を作って、メジャー初救援に臨んだ。カーステンス投手が出した2人のランナーに加え、打者は大砲のデービッド・オルティス内野手。「たぶん長くは投げない。力いっぱい投げよう」()という気持ちが幸いしたのか、オルティス内野手を併殺に打ち取った。

その後も、制球を重視して走者がいなくてもセットポジションで投げ、ストライクが先行。直球、変化球ともに素晴らしいキレで、2つの併殺打に仕留められたオルティス内野手を「自分のスイングができなかった」(スポーツニッポンより)と言わしめるほどだったのだ。

終わってみれば6回0/3で被安打2、奪三振6の無失点。チームの窮地を救った投球に、マウンドを降りる際には観客からスタンディングオベーションで絶賛された。チームも、女房役のホルヘ・ポサダ捕手の2点本塁打などで勝利。井川投手は、先発登板とほぼ同じ条件で2勝目を挙げたのだ。

井川投手の好投に、敵将であるテリー・フランコナ監督も「難しい場面に出てきて、いい投球をされた。速球が良く、抜いた球も効果的で、適度に荒れていた」()と絶賛。ヤンキースのジョー・トーリ監督は、この好投で井川投手の先発ローテーション復帰を即決したようなのだ。

こうしてチームのピンチを救った井川投手。しかし、カーステンス投手の離脱によりヤンキースが窮地に立たされていることには変わりない。ベンチで見ていたレッドソックスの松坂大輔投手が「要所でものすごい球が来ていた。開き直りもあるだろうし、意外にいい投球ができるものだと思う」(時事通信より)と語っていたように、先発マウンドでも今回のような「開き直った」気持ちで好投してもらいたいのだ。

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