芥川賞作家の柳美里が演劇復帰、制作過程を綴ったブログ開始。

2007/03/16 11:25 Written by コ○助

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1993年に「魚の祭」で劇作家の登竜門とも言える岸田國士戯曲賞を、1997年に「家族シネマ」で第116回芥川賞を受賞するなど、文壇界でも才能を高く評価されている柳美里。2001年に発表した自叙伝的な小説「命」は、江角マキコと豊川悦司の共演で映画化(篠原哲雄監督)されたほか、2005年にはファンタジー小説「雨と夢のあとに」が演劇集団キャラメルボックスの成井豊と真柴あずきの脚本、黒川智花と沢村一樹の共演によって連続ドラマ化(2006年にはキャラメルボックスが舞台化)もされたので、実際に小説を読んだことがなくても、その作品を目にしている人は多いかもしれないなりね。

一般的には「小説家」や「作家」として認知されている柳美里ではあるなりが、もともとの原点は舞台女優。主宰の東由多加のもと、ミュージカル劇団として1970年代に一世を風靡した「東京キッドブラザース」(※柴田恭兵らを輩出)の女優だったなりよ。東由多加は寺山修司や横尾忠則らと共に結成した「天井桟敷」の創設メンバーの一人で、1968年に「東京キッドブラザース」を旗揚げした演劇界の大物。柳美里は高校を中退した16歳で同劇団に入り、東由多加とは約8年間に渡って同居生活をしていた「恋人」同士でもあったなりね。

女優だった柳美里が文筆の世界に足を踏み入れたのは、18歳のときに東由多加が「あなたは演じるより書きなさい」とアドバイスをしたのがきっかけで、自ら立ち上げた演劇ユニット「青春五月党」で戯曲を書いていたなりよ。その後しばらくは戯曲中心の活動だったなりが、20代半ばから小説に軸足を移し、演劇とは距離を置くことに。結果、これまで26冊の本を発表し、現在に至るなりね。

そんな柳美里が久々に、実に久しぶりに演劇の世界に戻ることを決めたというなり。なぜ、演劇への「復帰」を決めたのか、そしてどのような戯曲を発表しようとしているのか。そのあたりについて、柳美里自らが心情や新作の制作過程を綴るブログ「青春五月党2007」を、3月12日から日経BPのウェブサイト内にオープンしているなりよ。実際に劇場で新作が上演されるまで、定期的に更新していくようなり。

柳美里の「新作戯曲発表」は演劇界にとっても大きなトピック。作家生活20周年という節目を迎えた今年、再び原点に戻ることで、新しい「柳美里像」が開拓されそうな予感がするなりね。ファンはもちろん、演劇に関心のある人はぜひチェックしてみてくださいなり。

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