ここ数年の音楽シーンはロック、特にUKロックの勢いが絶好調なのだけど、その本場である英国でのシングルとアルバムの売り上げトップ10が発表されたのだ。

まずはシングル部門。ダウンロード販売だけでチャート1位を獲得し、“21世紀で最も売れたトラック”といわれたナールズ・バークレイの「クレイジー」が82万53枚でトップとなった。これは順当ながら、2位にはオーディション番組「X Factor」（英国版「アメリカン・アイドル」）の優勝者であるリオナ・ルイスのデビュー・シングル「A Moment Like This」が70万69枚でランクイン。12月20日とかなり大詰めにリリースされたこともあり、これには驚かされたのだ。そういえば、UKチャートでも数週にわたって1位だったなあ。

3位はシャキーラの「Hips Don't Lie―オシリは嘘つかない feat. ワイクリフ・ジョン」（49万5000枚）、4位はシザー・シスターズの「ときめきダンシン」（原題「I Don't Feel Like Dancin'」、35万3733枚）、5位は自宅アパートの地下室で行ったライブをネット配信したことからブレイクしたサンディ・トムの「アイ・ウィッシュ・アイ・ワズ・ア・パンク・ロッカー」と、ロック・ブームを全く反映していないランキングになっているのだ。

一方、アルバム部門では、スノウ・パトロールの『アイズ・オープン』が151万4554枚で1位、最速売り上げの新記録を打ち立てたアークティック・モンキーズの『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』が111万2000枚で4位、ザ・クークスの『インサイド・イン／インサイド・アウト』が110万2000枚で5位と、ロックが色濃く出たランキングとなった。

Narinari.comでもお伝えしたオアシスとU2のベスト盤、ビートルズとウエストライフの新作の発売日が重なった「熾烈な月曜日」の最終結果は、最後まで1位を獲得できなかったオアシスの『ストップ・ザ・クロックス』に軍配が上がったのだ。

このほか、再結成したテイク・ザットの『ビューティフル・ワールド』が2位、シザー・シスターズはシングル部門に続いてアルバム部門でも『ときめきダンシン』（原題『Ta-Dah』）が3位を獲得している。それにしても、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの『ステイディアム・アーケイディアム』やストロークスの『ファースト・インプレッション・オブ・アース』がトップ10に入らないとはなあ。

アルバム・ランキングを見る限り、まだまだロック・ブームは続きそう。今年もUK音楽シーンは要注目なのだ。


☆2006年UKCD売り上げトップ10

【シングル】
1. ナールズ・バークレイ「クレイジー」　82万53枚
2. リオナ・ルイス「A Moment Like This」　70万69枚
3. シャキーラ「Hips Don't Lie―オシリは嘘つかない」　49万5000枚
4. シザー・シスターズ「ときめきダンシン」　35万3733枚
5. サンディ・トム「アイ・ウィッシュ・アイ・ワズ・ア・パンク・ロッカー」　32万5600枚
6. インファーナル「フロム・パリス・トゥ・ベルリン」　30万8000枚
7. ネリー・ファータド「マンイーター」　29万6000枚
8. テイク・ザット 「ペイシェンス」　28万2423枚
9. リアーナ「SOS」　24万3000枚
10. ジャスティン・ティンバーレイク「セクシー・バック」　24万1250枚

【アルバム部門】
1. スノウ・パトロール『アイズ・オープン』　151万4554枚
2. テイク・ザット『ビューティフル・ワールド』　114万4521枚
3. シザー・シスターズ『ときめきダンシン』　112万7332枚
4. アークティック・モンキーズ『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』　111万2000枚
5. ザ・クークス『インサイ・イン／インサイド・アウト』　110万2000枚
6. レイザーライト『レイザーライト』　107万6968枚
7. オアシス『ストップ・ザ・クロックス』　90万9161枚
8. ウエストライフ『ラヴ・アルバム』　90万1643枚
9. ピンク『アイム・ノット・デッド』85万4391枚
10. ジェイムス・モリソン『ジェイムス・モリソン』　84万7135枚