2月11日のグラミー賞、2月14日のブリット・アワードに続いて、3月1日に授賞式が行われるNMEアワード2007。英国で最も有名な音楽誌NMEが主催するもので、読者や一般の声が強く反映されるため、大衆的な音楽賞に位置付けられているのだ。
前回は、昨年のブリット・アワードで3部門を受賞し、NMEアワードでも6部門にノミネートされたカイザー・チーフスが惨敗。新人ながら4部門にノミネートされたアークティック・モンキーズが3部門を制覇する快挙を達成したのだけど、今回は最多ノミネートが5組という混戦状態になったのだ。
最多4部門にノミネートされたのは、前回の覇者であるアークティック・モンキーズ、カサビアン、ザ・キラーズ、マイ・ケミカル・ロマンス、ミューズ。特に最優秀アルバム部門では、この5組が激突しているのだ。アークティック・モンキーズのフロントマンであるアレックス・ターナーとマイ・ケミカル・ロマンスのフロントマン、ジェラルド・ウェイは年間ヒーロー部門にもノミネートされているのだ。ジェラルドは年間悪人部門でも候補になっているけど。
一方、今年のブリット・アワードで最多4部門にノミネートされたリリー・アレンは、主要部門では最優秀ソロ・アーティストのみの候補となったのだけれど、ワースト・ドレッサー部門、ワースト・アルバム部門（『オーライ・スティル』）、セクシーな女性部門にもノミネート。良い意味でも悪い意味でも注目されているのだ。ちなみに彼女は、4部門にノミネートされながらも1部門も受賞できないこと（英国では、2001年の故事から“クレイグ・デイヴィッドする”という）を懸念して、ブリット・アワードへの出席を躊躇しているのだとか。
最優秀新人バンド部門でも、クラクソンズやザ・ビュー、ザ・クークス、ザ・ホラーズ、ザ・フラテリス（ザ・○○が多いなあ）と、日本でも話題になっているバンドが勢揃い。クラクソンズとザ・ビューは最優秀トラック部門にもノミネートされているのだ。ホラーズのファリス・ロッターやザ・ビューのキーレン・ウェブスター、リリー・アレン、ジェラルド・ウェイらを抑えてNME誌の「クールリスト2007」で1位に選ばれたベス・ディットー率いるザ・ゴシップは、どの部門にもノミネートされなかった。最近、ハマりまくっているリトル・マン・テイトがノミネートされていないのもちょっと不満なのだ。
UKミュージック・シーンの“今”と現地の“生の声”が分かるNMEアワード、
公式サイトで投票もできる（要登録、無料）ので、英国のロック好きが注目するこの賞に参加してみては？ それにしても、ピートとカールの人気は根強いなあ。
☆NMEアワード 主要部門ノミニーリスト
【最優秀ブリティッシュ・バンド部門】
アークティック・モンキーズ／ベイビー・シャンブルズ／カサビアン／ミューズ／オアシス
【最優秀インターナショナル・バンド部門】
CSS／ザ・キラーズ／マイ・ケミカル・ロマンス／ザ・ストロークス／ウィー・アー・サイエンティスツ
【最優秀ソロ・アーティスト部門】
リリー・アレン／ゲット・ケイプ・ウェア・ケイプ・フライ／ジャーヴィス・コッカー／ジェイミー・T／トム・ヨーク
【最優秀新人バンド部門】
ザ・フラテリス／ザ・ホラーズ／クラクソンズ／ザ・クークス／ザ・ビュー
【最優秀ライブ・バンド部門】
アークティック・モンキーズ／ベイビー・シャンブルズ／カサビアン／ミューズ／マイ・ケミカル・ロマンス
【最優秀アルバム部門】
アークティック・モンキーズ（『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』）／カサビアン（『エンパイア』）／ザ・キラーズ（『サムズ・タウン』）／ミューズ（『ブラック・ホールズ・アンド・レヴァレイションズ』）／マイ・ケミカル・ロマンス（『ザ・ブラック・パレード』）
【最優秀トラック部門】
ダーティ・プリティ・シングス（「バン・バン・ユア・デッド」）／ザ・キラーズ（「ウェン・ユー・ワー・ヤング」）／クラクソンズ（「アトランティス・トゥ・インターゾーン」）／ミューズ（「スーパーマッシヴ・ブラック・ホール」）／ザ・ビュー（「ウェイステッド・リトルDJ's」）
【最優秀ビデオ部門】
ザ・ホラーズ（「シーナ・イズ・ア・パラダイス」）／カサビアン（「エンパイア」）／ザ・キラーズ（「ボーンズ」）／OK GO（「ヒア・イット・ゴーズ・アゲイン」）／パニック！アット・ザ・ディスコ（「アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ〜いつわりのウェディング」）
【最優秀ミュージックDVD部門】
アークティック・モンキーズ（「スカミー・マン」）／ダーティ・プリティ・シングス（「Puffing On A Coffin Nail」）／フー・ファイターズ（「スキン・アンド・ボーンズ」）／マキシモ・パーク（「ファウンド・オン・フィル」）／マイ・ケミカル・ロマンス（「ライフ・オン・ザ・マーダー・シーン」）
