“ゴッドファーザー・オブ・ソウル”ジェームス・ブラウンが死去。

2006/12/25 23:09 Written by コジマ

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今年は有名人の訃報がやたらと多くて、なんだか気が滅入ってしまう。巷で囁かれているように、“あっち”で何かイベントがあるのかと勘繰ってしまうほどなのだ。海外のミュージシャンでは、7月に元ピンク・フロイドのシド・バレットが死去。今も多くのファンに愛されているピンク・フロイドの初期を支えたソングライターだったので、デヴィッド・ボウイをはじめとするミュージシャンも彼の死を悼んでいたのだ。

そんなところへ、またもや音楽界の大物の訃報が届いてしまった。“ゴッドファーザー・オブ・ソウル”“キング・オブ・ファンク”の愛称で親しまれ、多くのミュージシャンに尊敬されている音楽界の巨人、JBことジェームス・ブラウンが、12月25日に入院先の米ジョージア州アトランタのエモリー・クロフォード・ロング病院で亡くなったのだ。死因は不明なものの、肺炎のために前日から同院に入院していたとのこと。享年は、AP通信によると73(諸説あり)。

圧倒的な歌唱力と天性のリズム感で1960年代からブラック・ミュージック・シーンを牽引してきたJB。ファンク・ミュージックを確立し、独特の反復グルーブがレゲエやヒップホップ、さらにはジャズやポップスにも影響を与えたのはご存じのとおり。彼がいなければ、ローリング・ストーンズもマイケル・ジャクソンも、ノートリアスB.I.Gもジェイ・Zも存在しなかったのだ。あのマイルス・デイヴィスすら、JBから影響を受けたことを告白したほど。

最近は、薬物事件や妻へのドメスティック・バイオレンス(DV)、元宣伝担当だった女性へのレイプ事件など暗い話題が報じられることが多かったけど、日本では2003年公開の映画「ゲロッパ!」(井筒和幸監督)でフィーチャーされ、今年2〜3月にかけてデビュー50周年記念来日ツアーを実施。多くのファンを熱くさせたのだ。

“ショービジネス界一の働き者”の異名通り、体調不良のなかもツアーを続けており、今週も米国内で2公演が予定されていた。24日に入院した際も「週末のライブまでには治してツアーを続けるよ」(notraxより)と語っていたのだそう。偉大な功績にアグラをかかず、まさに「生涯現役」を貫き通したのだ。

奇しくも25日は、もう一人の音楽界の巨人、“キング・オブ・ブルース”ことB.B.キングが大統領自由勲章を受章したというニュースが届いた。同世代で共に米国の音楽シーンを牽引してきたJBの死は、彼にとっても残念だっただろう。

「ロックの殿堂」入りやグラミー賞特別功労賞をはじめとした数々の賞を手にし、かつての偉大なミュージシャンたちの元へと旅立ったJB。彼の音楽も、後世へと永遠に語り継がれていくと思う。心から冥福を祈るのだ。

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