ぼくはバスケ部でも草バスケをやっていたわけでもないのだけど、サッカーと一緒で、レベルの高い試合は本当に面白い。そんな世界一の水準を誇るNBA(米バスケットボール協会)の試合を見るたびに思ってしまうのが、日本のバスケが盛り上がっていないこと。昨年はbjリーグが設立され、今年は世界バスケが日本で開催されたのだけど、人々の反応はイマイチなのだ。
こうした日本バスケ界の低迷を以前から憂いていたのが、超人気漫画「スラムダンク」の作者である井上雄彦。単行本のコメント欄でも、何度も「もっと盛り上がって欲しい」という記述が見られた。現在も「バガボンド」と並行して車いすバスケを描いた「リアル」を連載している井上雄彦が、集英社と共に未来のバスケ選手を育成する「スラムダンク奨学金(スラムダンク−スカラシップ)」を設立したのだ。
なんでも、「スラムダンク」の単行本が1億部を突破した記念事業だそうで、高校2年生(1989年4月2日以降生まれで2008年3月卒業見込みの人)を対象として、米コネチカット州のプレップスクール(名門大学進学への準備校)、サウスケントスクールへの派遣手続きや学費、生活費までを援助し、現在NBAのマイナーリーグであるABAのロングビーチ・ジャムで活躍する田伏勇太選手のような、海外に通用する選手の育成に取り組むそうなのだ。
奨学金を受けられるのは若干名。最終審査に残れるのが3人なので、3人以下ということになる。チームへ適応できる選手がいないと判断された場合は、合格者なしの可能性もあるのだそう。また、2008年4月〜09年5月までの14カ月間米国に滞在可能なことが条件となっており、一時帰国もできないそうなのだ。
二次審査まではビデオで行われ、最終試験は米サウスケントスクールに実際赴き、練習に参加して行われる。応募は
公式サイトで所定の用紙をダウンロードし、スラムダンク奨学金事務局に郵送する。
日本では、野球やサッカーなどのように高レベルな環境や援助が受けられないのが現状。プロリーグもドラフトを行わず、トライアウトの末リーグ関係者の協議で所属チームが決定されるという、恵まれない状況にあるのはたしか。こうした留学によって、日本でも素晴らしい選手が多く誕生することが望まれるのだ。でも、「スラムダンク」に登場した谷沢選手のようにはならないでね。