菊地凛子がNBR賞で新人女優賞受賞、アカデミー賞候補に急浮上。

2006/12/07 17:18 Written by コジマ

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今年5月に開催された第59回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した映画「バベル」(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)。ブラット・ピットやケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナルらの豪華キャストに混ざって、役所広司が出演することも話題になっているのだ。

「バベル」には新進女優の菊地凛子も出演しているのだけど、こちらはほとんど話題にならなかった。役所広司に比べてキャリアが少ないため仕方のないことなのだけど、聴覚障害と心の傷を抱えた女子高生・チエコ役を熱演した彼女に対し、共演したブラット・ピットが「凛子は素晴らしい。本当に褒めざるを得ない」と絶賛するなど、米国では非常に評価が高かったようなのだ。

そのことを裏付けるように、6日に発表された米映画批評会議賞(ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞=NBR賞)で菊地凛子は、「ドリームガールズ」(ビル・コンドン監督)のジェニファー・ハドソンと共に新人女優賞を受賞した。同賞は1929年開始という権威ある賞で、その年度に行われる映画賞レースの幕開けとなっており、翌年のアカデミー賞の前哨戦としても注目されているのだ。このため、サンフランシスコ・クロニクル紙をはじめ、アカデミー賞助演女優賞候補として菊地凛子の名前を挙げているメディアも出てきているのだとか。

菊地凛子は、1981年1月6日生まれの25歳。神奈川県出身で、99年の「生きたい」(新藤兼人監督)で映画デビュー。04年の「理由」(大林宣彦監督)、「茶の味」(石井克人監督)のほか、今年も「笑う大天使(ミカエル)」(小田一生監督)、「ナイスの森」(“ナイスの森”監督)に出演している。キリンの発泡酒「円熟」のCMで小林薫の娘役を演じていた人と言えば、ピンと来る人もいるかもしれない。公式サイトや今回の受賞報道で各メディアに掲載されている写真を見ると分かるように、かなり個性的なのだ。

NBR賞ではこのほか、最優秀作品賞に渡辺謙主演の「硫黄島からの手紙」(クリント・イーストウッド監督)が、最優秀監督賞に「ディパーテッド」(マーティン・スコセッシ監督)が、最優秀外国映画賞に今年のカンヌ国際映画祭で脚本賞と女優賞を受賞した「ボルベール(原題)」(ペドロ・アルモドバル監督)が、最優秀男優賞に「The Last King of Scotland(原題)」のフォレスト・ウィタカーが、最優秀女優賞に今年のヴェネチア国際映画祭で脚本賞と女優賞を受賞した「クイーン」(スティーヴン・フリアーズ監督)のヘレン・ミレンが、それぞれ選ばれている。

来年のアカデミー賞は、「硫黄島の手紙」と「バベル」という2つの日本人関連作品の受賞が期待されるのだ。

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