「酸素入り水」に効果なし? 国立健康・栄養研究所が情報を公開。

2006/09/11 14:18 Written by コ○助

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ミネラルウォーターの「新しいタイプの商品」として登場し、市場を拡大するのに一役買っている酸素入りのミネラルウォーター。従来からの酸素ブームに乗るかたちで登場した商品群なりが、それを飲んだことによってどのような効果が得られるのか、通常のミネラルウォーターと何が異なるのか、そのあたりはモヤモヤと霞がかかったまま、大々的な宣伝と共に市場に出回っているなりよね。「何となく身体に良さそう」という気分だけで飲んでいるならまだ良いなりが、宣伝を見て「ダイエット効果がある」「疲れを取る効果がある」と思っている人も少なくないのは、いささか問題なりよ。

酸素入りミネラルウォーターを飲むとどうなるのか。その効能に関しては先日もお伝えした通り。科学的には酸素入りのミネラルウォーターを摂取することで、「ウサギの実験で酸素が腸管から吸収された」「筋肉疲労の目安となる乳酸値が下がった」という報告はあるなりが、含まれる酸素の量は30〜40ppmと、成人男性が1回の呼吸で肺に送り込む酸素量の約4分の1〜5分の1程度の量にとどまるため、身体に何らかの効果が出るとは考えにくいなりよ。なので、あまり過度の期待をしても意味がなく、やはり「何となく身体に良さそう」な気がする、という程度に考えておくのが正解なりね。

こうした誤解は徐々にとけ始めているなりが、まだまだ周知不足の感は否めず。そのため、薬剤師や栄養士から「ものすごく売れているが、本当に効果があるのか」(朝日新聞より)との問い合わせが寄せられている国立の健康・栄養研究所が、人体で効果を検証した医学論文を調べ、その結果をホームページで公開しているなりよ。

国立の健康・栄養研究所はまず、「運動能力に対する検討」として3つの論文を調査。すると、いずれも酸素入りミネラルウォーターを摂取しても有意な変化が認められなかったと結論づけられていたなりね。また、「体内組成等に対する影響の検討」として2つの論文も調べているなりが、こちらも同様に「効果を特定することができない」との結論に達しているというなり。

もちろん、酸素入りミネラルウォーターを発売するメーカー側も宣伝文句にはっきりと効果を謳っているわけではないので、そのあたりは確信犯なのかもしれないなり。ただ、それらを販売する小売店の認知不足によって、誤った情報が伝播している可能性も否定はできないだけに、誤解を解くための情報公開に、業界として取り組んでいく必要がありそうなりね。

あくまでも気分的なもの。それをしっかり踏まえた上で、酸素入りミネラルウォーターを楽しみましょうなり!

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