SUMMER SONIC 2006、東京会場1日目のレポート その2。

2006/08/20 13:25 Written by コジマ

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SUMMER SONIC 2006の東京会場(千葉マリンスタジアム、幕張メッセなど)1日目のようすをお伝えしているレポート。ゼブラヘッドを観にメッセからマリンスタジアムへ移動した途端に激しい雷雨に見舞われ、ぼくらは入り口手前のテントで立ち往生。レインコートも着ずに屋外ステージへと飛び込むのか、それとも屋内ステージのメッセに戻るのか。では、続きをどうぞ。

なぜメッセを出た途端に天気が悪くなるのだろうか。こんなことならスタジアムに来なければよかった――突然の土砂降りとひっきりなしに響く雷鳴に逃げまどう人たちをながめながら、ぼくらは途方に暮れていた。しかし、せっかくフェスに来たのにこんな場所でぼけっとしていても時間のムダなので、意を決してスタジアムへと走った。

スタンド席に上がると、土砂降りのなかゼブラヘッドは激しいライブを行っていた。こんな天候にもかかわらず、アリーナにもかなりの人が入っている。スタンド席も屋根があるところはかなり埋まっていたのだ。強まる雨に合わせて、ゼブラヘッドの演奏もヒートアップ。その激しさに呼応するように、ステージの後ろでは稲妻が走り雷鳴が轟く。うーん、かっちょいい。人間にはできない最高の演出なのだ。

アリやマッティが日本語で放送禁止用語を叫びまくりながら盛り上げ、びしょ濡れになったアリーナの観客たちはモッシュ、ダイブ、そしてヘッドスライディングまでしている人たちも。そして、輪になって踊っている人たちもいたのだ。うひゃー楽しそう!とうずうずしていたのだけれど、友人がスタンド席を動くのを嫌がったために、アリーナでのお祭り騒ぎに参加することを諦めた。ああ、ぼくもあの輪に入りたかったなあ。

ゼブラヘッドのステージ終了とともに雨が小降りになってきた。スタジアム外にある屋台でご飯を食べつつ、今後の予定を相談する。このとき食べた豚肉炒めかけご飯と特製ソーセージはめちゃくちゃ美味かった。味も量も大満足だったのだ。

このあとマリンステージでフーバスタンクが出演するのだけれど、友人の強い要望により、マウンテンステージに出演するエディターズを観るため再びメッセへ移動することに。うーん、雨が降ってるときだけ屋外ステージに行くなんてついてないなあ。ちなみに、フーバスタンクのステージを観た別働隊の話では、ボーカルの日系人、ダグラス・ロブのおばあちゃん(日本人)がステージに登場していたのだとか。

歩いてメッセに戻ったぼくらは、麻雀や床屋、ネイルアート、フットバス、マッサージなどの出店をながめながらマウンテンステージへ。うーん、なぜサマソニに来て髪を切るのか……。

NMEなどの英音楽誌が大プッシュし、エルトン・ジョンがお気に入りだというUK期待の新人、エディターズは、本国でグラストンベリーやレディング、リーズなどの主要フェスを経験しているだけあってなかなかのステージを披露していた。さすが、“うつ病から立ち直ったジョイ・ディヴィジョン”。しかし、疲れてきたうえに大量にビールを飲み、おなかも一杯だったぼくはあまりの眠気に座り込んで寝てしまったのだ。ああ、もったいないことしたなあ。

ライブが終了すると、エディターズ好きの友達に「てめー、何寝てんだよ!」と起こされてステージを移動する。それでも同じような行動をしていた友達も眠かったらしく、くるりをちょっと観た後にキーンが始まるまでソニックステージの脇で一休みするという。ぼくは、この日ちょっと楽しみにしていたカサビアンのニュー・アルバム『エンパイア』が聴けるという「エンパイア・ドーム」に向かう。

『エンパイア』は前作よりエレクトロニカが抑えられ、よりロックっぽくなっていた。うーん、かっちょいい。PVもめちゃくちゃ良かったのだ。BMG JAPANのサイトでも「エンパイア」のPVがチェックできるので、気になる人はどーぞ。

「エンパイア・ドーム」を出たぼくは、友達に電話をして衝撃の事実を聞く。キーンのステージが中止になったのだ。なんでも家族の問題で緊急帰国したとのこと。しかし、出演20分前にそんなこと知らされても困るのだ。違う理由があるんじゃないかと勘繰ってしまう。友達はキーンを一番の楽しみに来ていたので、かなり落胆しているようすだった。

出演者のいないガランとしたソニックステージでしばらく休んだあと、シャーラタンズを観るべくマウンテンステージへ。良い意味でも悪い意味でも変動の激しいUKロック・シーンで、マッドチェスター時代から現在まで第一線で生き抜いている実力はハンパなかった。いやあ、ティム・バージェスの声は最高なのだ。2004年のフジロックで観られなかったので、今回サマソニに来てくれて本当に良かった。それにしても、コンセプトもあるだろうけど、シャーラタンズはマリンステージで観たかったのだ。

さて、今年のトリはどのバンドにするか。開始時間が同じだったシャーラタンズを選んだ時点でメタリカはなし。フレンチ・ハウスの大御所ダフト・パンクでもなく、ぼくらはフレーミング・リップスを選んだ。風船が飛び交い、さまざまなキャラクターが登場するという、噂通りの幸せいっぱいなステージだった。家族連れが多かったし、とかく殺伐とした雰囲気になりがち(特に前列は)のフェスだけど、こんなにゆったりと幸せな時間を過ごすことができるんだと、新たな魅力を確認したのだ。隣でお父さんに肩車された子供と一緒に手を振ったりたたいたりしていたのだけれど、3、4歳の子供と楽しさを共有できるライブなんて、そうそうないよなあ。「ドゥー・ユー・リアライズ?」を演奏しているときなんて本当に良かった。

フレーミング・リップスのおかげで幸せいっぱいな気分になったところで、ダフト・パンクが入場規制になった知らせを受ける。メッセ内にある大型スクリーンでメタリカのステージを観ながら、広島焼きを食べた。うーん、メタリカは一体何時間演奏しているんだろう。

そして、外に出て車のなかでダフト・パンクを観ているという別働隊を待っていると、スタジアムで花火が上がった。今年のサマソニはスタジアムでトリを観なかったという不完全燃焼感はあるけれど、それなりに楽しむことができたのだ。でもでも、来年はマリンステージをメタル一色にすることはやめてね。

おわり

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