笑いに反映される国民性、「世界の日本人ジョーク集」が人気。

2006/05/23 23:35 Written by コジマ

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1つの物事に対して「○○人はこうして、○○人はこう」と国ごとに対処の仕方の違いを表すジョークは、欧米などでよく耳にする。こうしたよく言われているジョークのなかでも日本人が挙げられているものを集めた「世界の日本人ジョーク集」という本が人気だそうなのだ。「世界の紛争地ジョーク集」「世界反米ジョーク集」に続いて同書を執筆した早坂隆氏は、「ジョークを通じての日本人論を書きたかった」(産経新聞より)と話している。

「日本人は周囲の目を気にしすぎる」なんていわれているけど、多くの日本人が外国からどういうふうに見られているかを把握していないのではないだろうか。こうしたことに目をつけた早坂氏は、大上段に構えて日本人論を語るよりも、海外で語られているジョークを通して表現しようとしたようなのだ。面と向かって言われたら相手が怒るようなことでも、ジョークというフィルターを通すことによってそうした感情を和らげる効果もある。そのジョークとはどんなものか。『世界の日本人ジョーク集』から産経新聞の記事が取り上げている例を紹介すると、

《レストランで出てきたスープにハエが入っていたら? イギリス人は皮肉を言って店を出る。中国人は問題なくハエを食べる。ロシア人は酔っぱらっていて気づかない。アメリカ人は裁判沙汰(ざた)に。日本人は周りを見回し自分の皿だけなのを確認し、そっとボーイを呼ぶ。韓国人は日本人のせいだと叫び、日の丸を燃やす》

早坂氏は、このジョークについて「議論や対立は好まず、『どうか穏便に』『その場を丸く収めよう』とするのが日本人の性質」が表れているとしている。たしかに、自分と他の人との違いを確かめる点と、そっと店員を呼ぶ点は日本人の性質をよく反映している。それにしても、韓国人の部分はとてもギリギリ感があるのだ。こういうことを話題にできるのもジョークならではだろうか。

「世界の日本人ジョーク集」は
第1章 ハイテク国家像―クルマからアイボまで
第2章 お金持ちの国―バブルそして崩壊へ
第3章 勤勉な人々―会社人間・カロウシ
第4章 日本人的アイデンティティ―集団行動・笑わないなど
第5章 神秘の国ニッポン―風習・宗教・衣食住など
第6章 歴史・政治・外交―アメリカ&中国との関係
第7章 世界で活躍する日本人アスリートたち―スモウからイチローまで
第8章 新たなるニッポン像―世界を席巻する日本のマンガ&アニメ
という構成になっている。早坂氏が「ただジョークを集めて並べただけでなく、ジョークが生まれた背景、土壌を考えてみたかった。外国の人が日本人をどうみているかわかり新鮮ではないですか」と語っているように、これはとても興味深い本なのだ。

さて、こうしたジョークについてインターネットを検索してみると、面白いサイトに出合ったのだ。「ジョークアヴェニュー」と題されたそのサイトは、世界のさまざまなジョークが掲載されている。例えば、

「世界で一番幸せな男は?
──アメリカの家に住み、イギリスの給料をもらい、中国の食事をとり、日本人の妻を持つ男。
じゃあ、世界で一番不幸な男は?
──日本の家に住み、中国の給料をもらい、イギリスの食事をとり、アメリカ人の妻を持つ男。」

「無人島に男ふたりと女ひとりが流れ着いた。さあどうする?
フランス人の場合:女は片方の男と結婚し、もう一人と不倫する。
アメリカ人の場合:女は片方の男と結婚し、離婚してから次の男と再婚する。
ロシア人の場合:女は好きではない方の男と結婚し、そのことを一生嘆く。
ドイツ人の場合:女と男ひとりが結婚し、残りの男が立会人を務める。
日本人の場合:男ふたりは、どちらが女と結婚したらいいか本社に問い合わせる。
スウェーデン人の場合:男ふたりは愛し合い、女は自分を愛する。」

などなど。ここのサイトにあるジョークを見ても、「日本人=自分で決定する能力がない、会社に縛られている」というのが浮き彫りになっているのだ。それにしても、ジョークの世界では「フランス人=エッチ」「ロシア人=酒好き」「ドイツ人=堅い」「イタリア人=女好き」「ユダヤ人=ケチ」「米国人=独善的」「英国=食事がまずい」といった図式が成り立っているようだ。また、アイルランド人やポーランド人、韓国人はしょっちゅう批判の対象となっている。

こうしたジョークはとても面白いのだけれど、ジョークとは分かっていても面と向かって言われたら怒り出す人もいるだろう。映画「スパニッシュ・アパートメント」(セドリック・クラピッシュ監督)はさまざまな国の人たち同居するという話だけど、そのなかで英国人少女の弟が各国の人たちの前で「イタリア人はこうだろ、ドイツ人はこんな感じで……」なんて物真似をして全員の怒りを買ったシーンがあるのだ。こうした目に遭いたくなければ、オチになっている国の人の前では、ジョークといえども披露しないほうがよさそうなのだ。

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