缶・瓶持ち込み禁止の甲子園球場でペットボトル入りビールが人気。

2006/05/22 23:31 Written by コジマ

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今季からプロ野球の試合でのみ手荷物検査を開始した甲子園球場。これによって以前から禁止されていた缶や瓶に入った飲み物の持ち込みが厳しく規制されることとなったのだけれど、こうしたなか、規制の対象外であるペットボトルに入ったビールが、球場近くのスーパーでヒット商品となっているようなのだ。

このビールはオランダ産の「ババリア」というブランドのもので、ペットボトル入りビールとしてビール愛好家の間では有名なのだそう。輸入元の商社が昨年に都内で販売したのだけれど売れ行きが伸びなかったため新たな販路を模索していたところ、甲子園近くにあるスーパーから仕入れの問い合わせがあったようなのだ。このスーパーは、手荷物検査の導入により売り上げ低下必至の缶ビールに代わる商品を探していたというから、まさに利害が一致したのだ。

「ババリア」を入荷した同スーパーは、開幕に合わせて販売を開始した。330ミリリットル入りで260円というから、国産ビールよりはちょっと高めなのだ。にもかかわらず、4月中旬には完売。再入荷されるという6月まで待たなければならない状態となったのだ。

このペットボトルは、外装を三層構造にしてあるため、ビールを入れる際に問題となる密封性を克服し、瓶と同じカラーリングで劣化対策である遮光性も高めているそう。日本でもアサヒビールが内側にガラス質の薄い膜を張ることによって密封性を高めた容器を開発し、ペットボトル入りビールを発売しようとしたのだけれど、環境保護団体「グリーンピース」などから「再利用性の低いペットボトルによるビールの販売は時代遅れ」と強固な反対に遭い、04年9月に発売を断念したのだ。

夏の野球観戦にビールは欠かせないもの。同スーパーは、球場からの規制へのすばやい対応で、ビール売り上げ激減という危機を乗り切ったのだ(まだ分からないけど)。ペットボトル入りのビールは、この先野球場だけでなくさまざまなシーンで需要が上がりそう。こうした需要の高まりをアサヒビールが無視できるのか、もしアサヒビールだけでなくビール製造大手が何社もペットボトル入りビールの販売を検討しだしたらグリーンピースがどういう対応に出るのか、こちらも注目なのだ。

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