甲子園球場、今季から手荷物検査を実施。

2006/02/20 22:36 Written by コジマ

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プロ野球ファンのなかでも、特にマナーが悪いといわれている阪神ファン。負けたらグランドに物を投げ込んだり勝ったチームの応援席に殴り込むなど、東京の阪神ファンであるぼくも、子供のころからその光景を何度も目の当たりにしてきたのだ。そんな阪神ファンの“聖地”である阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で今季から、プロ野球の試合に限り危険物の持ち込みをチェックする手荷物を実施するそうなのだ。春夏に同球場で行われる高校野球は対象外とのこと。

手荷物検査の実施決定は、「応援団を許可制にする」、「危険物の持ち込みやグラウンドへの投げ込み禁止する」など観客が安心して観戦できるよう、日本プロ野球機構と12球団が昨年末に策定した「試合観戦契約約款」を受けてのこと。12カ所ある入場門に4、5人ずつ警備員を配置し、検査に応じなければ入場を断る場合もあるというから、これは本気なのだ。

検査の主眼はビンや缶の持ち込み防止で、飲み物を入れる容器が凶器になるため、ビンや缶に入ったビールやジュースは球場が用意した紙コップに移し替えてもらう。手荷物検査は、チェックが厳しいので有名な東京ドームをはじめ他球場では以前から実施しているところが多いのだけれど、じつは、甲子園も1986年にこの検査を導入していたのだ。ところが、検査にあたった係員にビールをかけるなど観客が猛反発したため、数年で取りやめとなったのだそう。うーん、同じ阪神ファンとして情けないのだ。他球場で持ち込み禁止にしているところも多いペットボトルに関しては、甲子園では検査導入後も持ち込みOKとのこと。

そういえば、神宮球場のスタンドが禁煙となった数年前の開幕戦、阪神ファンの2、3人が外野席入り口の上でたばこをぷかぷかと吸っていたので係員が注意したところ、そのファンは烈火のごとく怒ってつかみかかった。“いかにも”な人たちだったので「あの係員さん、勇気あるなあ」と感心していたのだけれど、不運なことに、そのファンは応援団員だったのだ。すぐに仲間十数人がわらわらと寄ってきて、恐怖のあまり下を向いて硬直してしまった係員に「おらぁ! なんとか言わんかい!」と、まるで係員が借金を取り立てられている人みたいになっていたのだ。そこへ球場の警備担当の強そうな人たちが駆けつけたので事なきを得たけど、そのままだったらあの係員はどうなったことやら。満点の星空のもと、カクテル光線に照らされて野球を見ながら吸うたばこはたしかに旨いんだけど、ルールはルール。なんだか悲しくなっちゃったのだ。

かつて、後楽園球場の巨人戦で阪神ファンがライトスタンドへなだれ込むのを防ぐために、左右のスタンドの間にものものしく警備員が配備されていたけど、最近はそこまでの事態には至ってないようだし、「チームが強くなった影響もあるのか、昔に比べてファンのマナーも良くなったのでご協力いただけるのではないか」という鈴木康弘・甲子園球場長代理の言葉がどこまで通じるのか、興味深いのだ。

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