北信越地方のプロ野球独立リーグが正式発表、来春開幕へ。

2006/05/15 22:14 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


かねてから報道されていた新潟、富山、石川、長野の北陸、信越地方4県で発足されるプロ野球独立リーグの設立が15日、新潟市内で行われた記者会見で正式に発表されたのだ。会見にあたった「北信越リーグ(仮称)」開設準備室の村山哲二代表らによると、来年4月に各県1球団ずつの4球団によるリーグ戦を開幕するという。実現すれば、昨年発足した「四国アイランドリーグ」に続いて2例目(Uリーグ沖縄が予定どおり発足すれば3例目)のプロ野球独立リーグとなる。

会見には村山代表のほか、アドバイザーとして参加を予定している漫画家の水島新司(新潟出身)や、「新潟県に県民球団を創る会」の発起人でサッカーJ1アルビレックス新潟の池田弘会長も出席。村山氏らによると、北信越4県に各1球団を設け、年間約70試合のリーグ戦実施を予定しており、7月にリーグ運営会社を新潟市に設立、9月までに各県で新球団発足を目指すとしている。監督・コーチは元プロ野球選手を招聘し、選手は1チーム25人。今秋に入団テストを行うとのこと。

しかし気になることに、新潟県以外の3県の関係者からは正式表明はまだ行われていないのだ。スポンサーも現在、捜索段階にあるという。また、04年10月に起きた新潟県中越地震の影響で、08年竣工予定の県営球場の工事も滞っているそうなのだ。

独立リーグ運営にあたって、一番の難関は資金繰り。先駆けとなった四国アイランドリーグには13社の公式スポンサー、35社のサポーティング企業が付いているが、運営会社であるIBLJの石毛宏典代表によると、当初8167万円の黒字を計画していた昨年度の決算見込みが、3億1497万円の赤字だったことが発表されている。04年10月に発表された「日本独立リーグ」や今年4月に開幕を目指していた「東北ベースボールアカデミーリーグ」なども資金難から計画が頓挫しているため、スポンサーが決定していない状態の北信越リーグも予定通り来年4月に開幕されない可能性もあるのだ。

しかし、地元新潟の名門・新潟明訓高校をモデルにした野球漫画「ドカベン」を描いた水島新司が「漫画や人脈を生かしてできる限り協力していきたい」(デイリースポーツより)と全面協力を約束しているし、記者会見に飛び入り参加した石毛代表も、四国アイランドリーグとの交流戦を希望しているため、実現の可能性はそれほど低くはないかもしれない。

北信越リーグの特徴は、“先輩”の四国アイランドリーグと違ってプロを目指す若者だけでなく、元プロ野球選手も参加できることにあり、大きな視点として野球を通じた地域の活性化を目的としている。サッカーのアルビレックス新潟が地域密着球団として成功している新潟県だけに、新独立リーグがどこまで県民の心をつかむかが注目されるのだ。

一方、北信越リーグより一足早い今年10月の開幕を予定している「Uリーグ沖縄」は、すでに何度か入団試験であるトライアウトを実施し、監督も4チーム中2チームが決定。広告協賛企業も25社が決まっており、着々と準備が進められているようなのだ。また、東北楽天の本拠地である県営宮城球場の命名権を得ているフルキャストが、「フルキャスト・リーグ」の07年春開幕を目指している。

近年の人気凋落は目を覆うばかりだけど、まだまだ日本のスポーツの王道である野球。こうした独立リーグの相次ぐ発足は、社会人になっても硬式野球を続けたい人たちを救済するだけでなく、地域の活性化や野球自体の人気底上げに一役も二役も買いそうなのだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.