チワワの人気に陰り、アイフルの業務停止命令で。

2006/04/26 21:13 Written by コジマ

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小型犬ブームで注目され、CM出演で大ブレイクしたチワワ。愛くるしい黒目がちな瞳をうるませて震えるその姿は多くの犬好きの心を捕らえ、Narinari.comでもお伝えしたとおり、人気犬種ランキングで2001年から4年連続2位という人気ぶり。一時は60万円の値が付いたチワワ人気も、そのきっかけとなった消費者金融大手のアイフルが業務停止命令を受けた14日以降、陰りが見え始めているのだとか。

チワワは犬のなかで最も小さな種類で、原産地はメキシコ。体の小ささと飼育しやすさから、日本の狭い住宅での飼育に最適な犬種の1つなのだとか。こうした事情から都市部では元々人気の犬種だったのだけど、02年8月にアイフルのテレビCMにロングコートチワワの「くぅ〜ちゃん」が出演すると、一大ブームに発展。注文殺到のため“生産”が追いつかず、ペットショップから姿を消すといった事態まで発生したのだ。一時、子犬1匹60万円の値が付いた。

その後、にわかブリーダーなどによる生産過剰もあって15万〜20万円ほどに落ち着いていたけど、そんなチワワ人気を後押ししたアイフルが、強引な取り立てなどから金融庁から14日に全店舗業務停止命令を受けると、人気が急降下。読売新聞によると、わずか半月ほどで1万5000〜2万円ほど値下がりしたという。でも、この人気の凋落はアイフルだけの責任ではないのだ。

日本では犬だけに限らずさまざまな動物のブームが起こり、すたれていった経緯がある。かつてはウーパールーパーやエリマキトカゲがそうだし、は虫類が女性の間で、アニメ「とっとこハム太郎」でハムスターが子供に人気となったこともある。最近では、映画「ハリーポッター」の影響でフクロウを飼う人も増えているのだとか。こうした動物たちは、犬や猫と違って飼育が難しかったり人に慣れないため愛情がわかず、ブームが去ると捨てられ、処分されていった。犬では80年代にシベリアンハスキー、90年代にゴールデンレトリバーが流行したけど、大型犬のため飼育が困難なのと、のちに発生した小型犬ブームによって捨てられるケースが増えた。

近年は空前のペットブーム。こうしたブランドとしての興廃やそこから派生する個人や業者による処分、暴力と放置を含む虐待、しつけ不足からの傷害事件(今月だけでも熊本市北九州市で、土佐犬による2件の死傷事故が起きている)など、問題は山積している。飼育の難しさを理解せず安易に購入したり、ブランド品や装飾品としてしかペットを見ることができない人が増えているようなのだ。時には飼い主の気分を害したりすることもあるだろうけど、ペットは一方的に癒してくれる「物」ではない。家に連れてきた時点で、その動物の一生を背負わなければならないのだ。一時はスターのように扱われたチワワが、保健所にあふれかえらないことを祈るのだ。

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