“治安低下”で護身術教室に女性が急増、愛知では必修科目に。

2006/04/25 22:58 Written by コジマ

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「世界一安全」といわれている日本だけど、近年新聞やテレビを賑わせているニュースを見る限り、とても安全とは言い切れなくなった感がある。通り魔事件でも逮捕後に「自分より弱そうな人を狙った」と自供する犯人が多く、痴漢も含めて女性や子供がのほほんと生活できないような世の中になりつつあるのだ。そんななか、護身術(セルフディフェンス)を売りにした格闘技の道場やフィットネスクラブが盛況だそうで、特に女性会員が急増しているのだとか。また、愛知県小牧市では、小中学生の授業に護身術講座を取り入れることを決定したのだ。

産経新聞に掲載されている「クラヴマガ」は、イスラエル発祥の新兵用格闘術を取り入れた護身術教室。04年の開講以来、会員数が急増している人気“フィットネスクラブ”なのだ。その内容は、ナイフや拳銃などの凶器を持って襲いかかる暴漢を想定した護身術で、目や股間といったスポーツ格闘技では反則になる攻撃も推奨しているのだとか。「クラヴマガ」とは、ヘブライ語(イスラエルの公用語)で「接近戦闘術」という意味。女性も徴兵されるイスラエル軍のプログラムなので、女性が学びやすいということも人気を支えている側面なのだろう。

一方、ブラジリアン柔術の道場である「トライフォース」では、護身術を学ぶ目的に入会する人が30%にものぼっているのだとか。そのなかで、女性会員は10%を占める。もともと護身術の要素が強いブラジリアン柔術だけに、トライフォースでも護身術のみの授業を週に2回(1時間ずつ)行っているのだ。代表の早川光由氏は「ブラジリアン柔術は、その歴史から見ても最高の護身術」としたうえで、「セルフディフェンスの授業では凶器を持った相手を想定した『型』を教えていますが、柔術の授業に出てスパーリングをすることによって、より実践的な護身術を学ぶことができます」と言う。「型」だけでは、いざというときに力を発揮できないそうなのだ。

また、子供への凶悪犯罪が相次ぐなか、愛知県小牧市は今月から小学1、4年生と中学1年生を対象に、「総合的学習の時間」などの授業時間に護身術講座を設けたのだ。護身術だけでなく「万引きに誘われた場合の断り方」など、非行を防止する“心得”も伝授するのだとか。この試みは全国でも初めてだそうで、小牧市がモデルケースとなれば、全国にも普及していきそう。

世界でもまれな交番制度を持つ日本でも、犯罪の凶悪化は進んでいる。地震や火事と同じく、いつ何時降りかかってくるか分からない災難に対して、自分で解決できるよう備えなければならない時代になってきているのだ。

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