1話平均40円の携帯漫画が人気、市場規模は12億円に。

2006/04/06 16:58 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


移動時の暇つぶしとして、雑誌や小説よりも市民権を得た観がある携帯電話。常に持っているものだし、メールやゲーム、小説などさまざまなコンテンツが1台でできるのも魅力なのだ。そんななか、新たなコンテンツとして数年前からサービスが始まった「コミックサイト」が人気なのだとか。その市場規模は、サイト運営の担当者も驚く12億円。「携帯で漫画」は今後も伸び続けるのだろうか。

03年11月に始まったコミックサイトは、現在約60サイトほど。サービス開始から2年半しか経っていないのに、その市場規模は05年は12億円になると見込まれており、需要が急増していることがわかるのだ。会員数約20万人、累積ダウンロード件数1200万件という業界最大手のNTTソルマーレ(NTT DoCoMo用の「コミックi」とau、vodafon用の「コミックシーモア」を運営)などの成功に触発され、昨年末に出版8社が「デジタル・コミック協議会」を設立し、小学館が漫画だけでなくグラビアも閲覧できる自社サイトをスタート、角川書店も開設予定と、出版業界も本腰を入れ始めたのだ。うーん、儲かると分かるとすぐに飛び付くのはちょっとなあ。

利用者からは「(男性なので)店頭で少女漫画が買いにくい」「好きな作品だけ読むなら雑誌より安上がり」「バックライトのおかげで暗いところでも読める」という声が聞こえてきているとのこと。たしかにぼくも「NANA」(矢沢あい)や「のだめカンタービレ」(二ノ宮知子)を店頭で買うのはちょっと抵抗があったのだ。わざわざ小さい本屋さんに行ったり。

また、毎日新聞の記事によると、あるコミックサイト(NTTソルマーレ)でダウンロードした「北斗の拳」(原作:武論尊、作画:原哲夫)を読むと、カラー加工されている上にアクションシーンでは「あたたたたた!」の声とともにバイブレーターが作動するというギミックが付加されているのだ。うーん、すごい。漫画を読むには余計な機能だけど、体験してみたいのだ。ちなみにこのサイトは、月額315の会員費のほかに「北斗の拳」なら1話60円かかるのだとか。ちょっと高いかも。

どんなものかなと、無料だったので、コミックシーモアと小学館の自社サイトコミック小学館ブックスで「北斗の拳」と「『小早川伸木の恋』(柴門ふみ)第1集1」を試しにダウンロードしてみたのだ。閲覧にはアプリ「COMIC SURFING」が必要なのだけど、これがなかなか面白いページ送りで閲覧できる。そして、ウワサ通りアクションシーンや叫ぶ場面ではバイブレーターが作動。おお、びっくりしたのだ。なんというか、これは漫画とは別のモノを“見ている”気になったのだ。

NTTソルマーレの大橋大樹常務が「これほどになるとは予想しなかった」と語っているように、予想外の伸びをみせているコミックサイトだけど、携帯電話の限られた画面で漫画を読むことに抵抗がある人も多いはず。目がチカチカするし。また、ぼくのように単行本を買って何度も読み返すような「熟読派」にも向いていない気がするのだ。「携帯向けの表現を模索しないと、一時的なブームで終わる可能性がある」という日本漫画学院・木村忠夫院長の言葉通り、こういったことを気にしない利用者をどこまで伸ばせるか、そして気にする利用者をどうやって引き込むかが、今後の発展のカギになる。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.