先進国の平均寿命が2030年までに100歳、米生物学者が予測。

2006/03/13 23:49 Written by コジマ

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世界人口が65億人を突破した反面、深刻な高齢化に悩まされている先進国。現在約65歳といわれている世界の平均寿命だけど、医療の発達した先進国ではこれからも延び続け、2030年までに100歳前後になるとの予測を、米スタンフォード大学の生物学者、シュリパド・トゥルジャパーカー教授の研究により明らかになったのだ。

日本人の平均寿命は、人口問題研究所が2002年に発表した推計によると2050年の時点で85.09歳。また、6年前に米マウンテンビュー・リサーチ社が英科学誌ネイチャーに発表した予測では、90.91歳となっていた(英国人は83.79歳)。しかし今回、舌をかみそうな名前のトゥルジャパーカー教授の研究では、それを大幅に上回る予測がなされたのだ。

同教授によると「世界各地の人口増加率や経済レベルのデータに、医療や老化防止の進歩と普及の予測を当てはめると、現在80歳前後の先進国の寿命は10年から30年にかけて飛躍的に延び、100歳前後に達すると推測できる」(毎日新聞より)そうなのだ。つまり、日本を含む先進国の死亡率低下がこのままのペースで進化していけば、平均寿命は今までのどんな予測よりも大幅に延びるというのだ。

一方で、現在先進国で問題となっている肥満や糖尿病患者が今後さらに増え、平均寿命が下がるといった予測もなされている。実際、世界保健機関(WHO)が2002年に発表した世界の死亡原因で、肥満が深く関係する脳心血管系疾患(脳卒中や心不全など)が1位(29.3%)、糖尿病も単独で1%以上を占めているのだ。

しかし、その統計で2位(19.3%)の感染症(伝染病)を先進国ではかなり封じ込めてきたし、新たな死亡原因として恐れられていたエイズも、近年は死亡率を抑えてきている。1位の脳心血管系疾患や3位の癌(12.6%)を封じ込めるのも、時間の問題だろう。こうした医療の発展を見据えて、同教授は今回の予測を立てているのだ。

だけど、こうした“恩恵”にあずかれるのは、医療が今後も発展し続けるとみられている先進国に限られたこと。同教授は、発展途上の国では今後も医療を受ける機会は増えないと予測し、死亡率が改善しないため、「命の南北格差」はより開くとしているのだ。

これから、世界的にはその南北格差、先進国は平均寿命の延長と少子化による高齢社会、発展途上国はなお貧困、栄養不足、戦争、不十分な医療などにそれぞれ悩まされていきそうなのだ。また先進国の20代の死因ナンバー1は自殺だそうで、こうした医療では解決できない心の病気への対応が重要となりそうだ。

いかに平均寿命が延びても、寝たきりで生き続けても苦しいだけ。心も体も健康なうえの寿命をいかに延ばすかが、今後の先進国の課題となりそうなのだ。でも、ぼくは死ぬなら即死がいいなあ。痛いのヤダし。なんて(笑)。

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